何気ない洗顔の習慣が肌の乾燥を招く?押さえておきたい正しい洗顔法
投稿日: 2022年07月11日
毎日の洗顔、あなたはどんなことに気をつけていますか?実は、何気ない洗顔のやり方が、肌に悪い影響を与えている可能性も。そこで今回は、医療の立場からおすすめの洗顔法をご紹介します。
洗顔の目的
顔の肌についた余分な皮脂や汚れを落とすことにあります。ともすると、何を使って洗顔するのかとか、洗顔料に含まれる保湿成分や美容成分に目が行きがちですが、「汚れを落とす」という本来の役割を果たすことが、医療的にはいちばん大切です。次のようなことがポイントとなります。
〇 洗う水の温度
冬場でも冷水で洗うと毛穴が締まって肌が引き締まると考えがちですが、これは毛穴が縮んでいるだけで、肌には効果がありません。逆に、急激に冷やすことで赤ら顔になったり、乾燥の原因になる可能性もあります。お湯を使う場合、熱めのお湯で洗うと皮脂や汚れがよく落ちる感じですが、皮脂を落とし過ぎて、これも乾燥の原因となることもあります。
32℃~35℃位が適温で、皮脂が溶けだし落ちすぎることもなく、毛穴が縮んでしまうこともない温度です。ちょっとぬるめのお湯ですね。
〇洗う時間
キレイに洗いたいために、2~3分洗いたくなりますが、これでは洗い過ぎです。肌に洗顔料が長くついている状態は避けたいものです。せいぜい1分~1.5分程度にしてください。また、ゴシゴシと洗っていることはありませんか。こすらないようにしましょう。目元口元は皮膚が薄いので、とくに柔らかく洗いましょう。
〇 ふき取り方
タオルで顔をゴシゴシ拭いてしまっては、せっかく洗顔に気をつけていても、肌に摩擦が生じて、これもまた乾燥の原因になってしまいます。拭くときは、そっとタオルで押さえるだけで、こすらないようにしましょう。
洗顔は朝?夜?
次に、洗顔は朝がいいのか、夜がいいのかどちらでしょうか。洗顔とは、顔の肌についた余分な皮脂や汚れを落とすことにあります。昼間化粧をして、外出をして汚れなども付着している可能性があるので、夜の洗顔は必須です。もし夜に洗顔しないで寝てしまったら、メイクが付いていて、その脂が酸化してしまいますし、角質が溜まることにもつながります。毛穴が詰まって肌がごわごわしてきて、肌そのものが疲れた感じになります。肌のターンオーバーを正常なサイクルにするためにも、きちんと夜には洗顔しましょう。
それにたいして、朝の洗顔がよいのかどうかは議論が分かれるところです。夜、洗顔をきちんとして寝た場合、朝の顔には汚れはそれほど付着していないようですが、人間は寝ている間にコップ1杯ほどの汗をかきます。顔にたくさん汗をかくわけではありませんが、汗と皮脂が混ざり合って肌を覆っています。季節によっても違いますが、朝、起きたときに、何となく顔に汗をかいた感じがあるとか、べたべたする感じがあるなどという人は、洗顔料を使って洗いましょう。しかし、年とともに皮脂の分泌も少なくなってきます。洗顔をし過ぎると、必要な皮脂を取ってしまい、目元や頬など皮脂の分泌が少ない部分の乾燥が進んでしまう場合があります。
自分の肌が乾燥肌なのか、脂性肌なのか、また、敏感肌かなどを知り、洗顔料も自分に合ったものを選びながら、洗顔方法を選択しましょうね。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
助産師・保健師・看護師。株式会社Mocosuku社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当