知っていますか?賀寿(長寿のお祝い)について
投稿日: 2022年09月20日
昨日は敬老の日でした。敬老の日は、高齢の方を敬い感謝の気持ちを伝える日ですが、これとは別に日本には節目の年を迎えた方の長寿をお祝いする習慣「賀寿」があります。そこで今回は、賀寿についておさらいしてみましょう。
賀寿の呼び名
節目で長寿をお祝いする「賀寿」。60歳は「還暦」、80歳は「傘寿」、100歳は「百寿」、そして、人間の寿命の限界といわれる120歳は「大還暦」などと呼ばれていますね。たとえば、99歳は「白寿」と呼ばれます。これは、100歳の「百寿」の“百”という文字の一画目の横棒がないのが“白”だからです。100-1=99ですよね。99歳というと事実をそのまま述べているだけです。それを「白寿」と呼ぶことで、お祝いの気持ちや好感を込めていると解することができます。ご参考として、賀寿をあげておきましょう。
還暦(満60歳)、古希(70歳)、喜寿(77歳)、傘寿(80歳)、米寿(88歳)、卒寿(90歳)、白寿(99歳)、百寿(100歳)、茶寿(108歳)、皇寿(111歳)、大還暦(120歳)
古希の由来
さて、お伝えしたように99歳の白寿のように呼び名の由来に漢字が関係しているものが多くあります。たとえば、喜寿の「喜」は草書体で書いた時に「七十七」に似ているから、といわれています。
一方で「古希」は、唐代の有名な詩人「杜甫:とほ」が47歳ころに作った「曲江」(759年)という漢詩の一句「酒債(しゅさい)は尋常行く処に有り、人生70古来稀(まれ)なり」に由来するとされています。当時、杜甫はしょっちゅう飲んだくれて、飲み屋のツケをためていたようですよ。それが「酒債」です。そんな人は他にもたくさんいたようですね。そうしたありふれた、あまり感心できない凡人たちと比べると、70歳になるまで生きられたなんて、なんてすごいことなんだろう、と杜甫は感嘆し、それを対比によって表現しています。ありふれている:貴重、多数:少数、下品:気品、凡庸:秀逸といったように、人生を長く生きることを尊んだ漢詩です。
ちなみに、賀寿にはそれぞれ象徴的な色があり、今回とりあげた古希を象徴する色は「紫」です。賀寿のお祝い選びのヒントになりそうですね。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン