介護療養型医療施設の看護師求人/病院・施設情報

介護療養型医療施設とは

介護療養型医療施設は療養型病院ともいわれ、比較的状態の重い要介護者に医療処置とリハビリテーションを提供する施設です。65歳以上の高齢者で、医学的管理が必要な要介護1以上が対象です。よって、看護師の人員配置は他の高齢者施設よりも手厚くなっています。

医学的管理下でのケアが充実している一方、掃除や洗濯、買い物やレクリエーションなど生活援助に該当するサービス面においては、他の高齢者施設と比較するとあまり充実しているとはいえません。

介護療養型医療施設で働く：基礎知識

入院する患者は病状こそ安定しているものの、脳血管障害後に寝たきりになっている、麻痺がある、会話が困難、認知症が進んでいる、などの状態です。そのため、提供されるサービスは、医師による診療、療養上の医療ケアや看護、PTやOTによるリハビリテーション、介護職員による介護などです。看護師がこの施設で患者に行う医療処置は、医学的管理の下、インスリン注射、昼夜の痰吸引、経鼻栄養、胃ろう、IVH、気管切開、酸素吸入などです。ただし、患者にとってこの病院は生活の場でもあります。ですから看護師は、患者ができるだけ快適な生活を送れるよう、看護だけではなく介護を行うことも必要です。

看護師の役割

介護療養型医療施設は、急性期を過ぎて積極的治療を行わない方に、治療ではなく療養を目的としたケアをする施設で、比較的重い要介護者が対象です。

看護師の業務は、具体的には以下のような項目が挙げられます。

・医師からの指示による処置とその報告

・バイタルチェック、全身状態の観察

・ケアプランの作成（本来ケアマネージャーの業務ですが、看護師が行う場合もある）

・採血、注射、点滴とそれに付随する処置

・胃ろうや経鼻による経管栄養の準備、施行、観察とトラブル防止の処置

・褥瘡処置

・喀痰の吸引

・配膳準備、食事介助、おやつ介助、与薬

・オムツ交換

・入浴介助、清拭

・体位交換、体圧分散等、身の回りのケア

・リハビリテーション

・合併症予防

・感染対策

・緩和ケア

・レクリエーションの開催

このように、一般の病院勤務とは違い、さまざまな処置などの看護業務のほかに、施設にもよりますが、オムツ交換や食事、入浴の介助など介護業務も含まれる点が特徴的です。

また、前述のとおり、患者にとっては「生活の場」でもあります。ですから看護師は、看護や介護のみならず、レクリエーションなどを通して、長く病院で生活する患者のQOLを高めるためのサポートも大切な役割です。

勤務形態や雇用形態

勤務形態は病院と同じように日勤と夜勤で、最近は2交代が増えているようですが、3交代勤務のところもあります。また、夜勤専従の看護師がいるところもあります。

雇用形態は常勤と非常勤です。常勤では日勤と夜勤をこなさなければなりませんが、パート勤務の場合は日勤もしくは夜勤のみ、週2勤務や週3勤務といった働き方も可能です。家庭との両立やダブルワークも実現しやすいでしょう。

介護療養型医療施設へ転職するときの留意事項

介護療養型医療施設は2017年度で廃止され、現在は経過期間です。今後は介護医療院へ移行予定です。介護療養型医療施設では、一般の病院とは違い介護業務が伴います。とはいえ、介護業務に従事する際も医療的視点からケアを行いますから、この特徴を良い経験と捉えればやりがいを感じられると思います。しかし、介護業務に忙殺されている、と感じる人にとってはストレスになるかもしれません。

また、最先端の医療知識を学びたい、高度な医療やスキルを習得したい、急性期の患者を救いたい、といったキャリアアッププランを描いている方には向いていないでしょう。

介護療養型医療施設を希望して転職活動をするのであれば、入院している患者の状態やベッド数、看護師、介護士の人数、経営母体などの基本情報を押さえ、一般の病院と同様に基本給や手当の額、夜勤の回数などの勤務体制まで、しっかりとリサーチすることをおすすめします。

＜執筆者プロフィール＞

赤尾 治子(あかお・はるこ)

横浜市大医学部病院で14年間、介護老人保健施設で6年間の勤務を経て、株式会社とらうべ入社。現在は学校や企業の保健業務、介護施設の紹介、医療記事の執筆を担当。介護支援専門員(ケアマネージャー）の資格を取得予定

＜監修者プロフィール＞

株式会社 とらうべ

医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供