小規模多機能ホームの看護師求人/病院・施設情報

小規模多機能ホームってどんなところ？

小規模多機能ホームは「通い（デイサービス）」「訪問（訪問介護）」「泊り（ショートステイ）」という3つのサービスを組み合わせて利用できる地域密着型介護サービスです。利用者が住み慣れた地域で暮らすことの支援を目的としていますので、利用者の住所所在地は小規模多機能ホームが所在する市町村と同じであることが条件となります。加えて、「要支援1～2」または「要介護1～5」の介護認定を受けた方が対象です。

おもな利用用途は「退院後のサポートをしてほしい」「利用するサービスが異なっても同じスタッフにみてほしい」「その日の体調に合わせてサービスを利用したい」などです。

病院勤務では患者の入院から退院まで、という一局面で関わりが途切れてしまいます。一方、小規模多機能ホームでは退院後の暮らしの継続的なサポートを目的としており、利用者も最大29名と少人数です。ですから、3つのサービスを利用者ひとり一人の希望に合わせてアレンジして支援することができます。利用者とじっくり向き合いながら、その人らしい暮らしを支えたいという看護師にとっては、やりがいを感じられる現場だと思います。

看護師の役割は？

小規模多機能ホームでは看護師が一人体制という職場もありますが、医療行為はさほど多くはありません。利用者の多くが介護を必要とするなか、スタッフの人数は少ないため、看護師も介護職とともに食事や入浴、排せつの介助など介護業務にも従事します。

施設によっても異なりますが、一般に次のような看護業務が挙げられます。

・バイタルチェック

・服薬管理、インスリン注射

・健康管理

・医師の指示による簡易的な医療処置（褥瘡処置・胃瘻処置など）

・急変時の対応

・ケアマネや医師、家族などとの連絡調整役

このように、看護師は介護業務に加え看護業務を行うことになります。各業務の配分を考えながら、一日の作業スケジュールを管理する必要があります。

看護師の働き方

看護師の勤務形態は日勤のみで、常勤か非常勤を選べる、という職場がほとんどです。また、常勤でもフルタイムが難しい場合は短時間勤務やフレックス制度を導入しているところもあります。残業も少ないことから、家庭と仕事の両立はしやすいといえます。しかし、なかには看護師が月に数回の夜間オンコールに対応する、というケースも見られます。そのような職場では、夜間の利用者の急変や、夜勤をしている介護職が看護師に指示を仰ぐ場面などで対応を求められる可能性も考えられます。

小規模多機能ホームへ転職するときの留意事項

小規模多機能ホームでは、「利用者の健康管理」が看護業務の中心で、医療行為は少な目です。そのため、結婚や子育てなどによる看護師のブランクがある人も、比較的スムーズに復帰することができます。前述のとおり、利用者と時間をかけて関わりながら、より良い暮らしを支援したい人には向いている職場といえるでしょう。

しかし、利用者の急変時に看護師が判断を任されるなど、責任が重くかかる場面も想定されます。医療職としての指示を仰がれた際、一人で判断せざるを得ない状況が心配な人は、就職する前に看護師の配置人数や相談できる体制が整っているか…などについて確認しておくことも大切です。

また、医療行為を積極的に行ってスキルアップしたい、という人は物足りなさを感じるかもしれません。

看護師の活躍する介護現場には、今回ご紹介した小規模多機能型ホームのほか、通所介護・訪問看護・有料老人ホームなどさまざまな職場があります。それぞれの職場が持つ働き方の違いと特徴を知って、ご自身に合う働き方を見つけて頂けたらと思います。

＜執筆者プロフィール＞

吉村 佑奈（よしむら・ゆうな）

保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健（働く人の健康管理）を担当

＜監修者プロフィール＞

株式会社 とらうべ

医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供