ケアハウスの看護師求人/病院・施設情報

ケアハウスとは

ケアハウスは厚生労働省が定める老人福祉法による軽費老人ホームの一種で、社会福祉法人や地方自治体、民間事業者により運営されています。身寄りがない人や家族と同居できない人で、家庭での日常生活が困難な60歳以上（夫婦の場合は、どちらかが60歳以上であること）の高齢者が対象です。さらに、ある程度身の回りのことができて自立していても、食事や入浴などは身体的な衰えで難しいという人が入所の条件です。

冒頭でお伝えしたとおり、自立型と介護型のうち、介護保険導入後は介護型が増えています。介護型は65歳以上、要介護1以上が入居の条件です。地方自治体などが運営する施設は比較的低額な料金で入居できますが、民間事業者が運営する場合は、入居時の初期費用が百万円以上かかる施設もあります。

ケアハウスで働く看護師の位置づけ

ケアハウスの看護師は、入居している高齢者に対して看護師の視点でケアをします。

病院とは違い、看護をする対象は必ずしも疾患をもったいわゆる患者さんとは限りません。しかし、持病のある方も多く、元気そうに見えても突然病気が発症する可能性もありますし、初期の認知症の方もいるでしょう。

そうした高齢者特有の状況を理解した上でのケアが必要です。

また、看護師の人数が少ないので、医療的な処置や判断は看護師に委ねられます。その分責任は大きいのですが、それをプレッシャーに感じるか、やりがいに感じるかは、これまでの経験や今後の目標によると思います。

また、生活の場であるケアハウスでは、職員のメインは介護職ですが、高齢者が対象なので看護師もなくてはならない存在です。そのため、入居者や他職種との良好な関係を築く能力が求められます。日ごろから入居者や他のスタッフとのコミュニケーションを密にとることで、入居者の体調変化にも早く気づけますし、急変時における他職種との連携もスムーズになります。

看護師の役割、業務内容

・入居者の健康管理・健康相談

・入居者の主治医や医療機関との連携

・通院の付き添い

・医師の指示に基づく処置

・薬剤の管理

ケアハウスでの看護師のおもな業務は上記のとおりですが、実際の内容は入居者の状態によって違います。

自立型のケアハウスでは、介護が必要になった場合は、自宅と同じように訪問介護や通所介護の在宅サービスを利用します。しかし、服薬の自己管理が難しい方もいますし、通院の付き添いを要するケースも出てきます。

一方、介護型では介護施設と同様のケアが求められるでしょう。医療処置はもとより、入居者の介護度が進めば、主治医や医療機関との連携がより重視される可能性もあります。

勤務形態

ケアハウスに配置される看護師は、一人という施設も少なくありません。また、施設の運営方針や入居者の状態により、夜勤やオンコールに対応する場合もあります。

とはいっても、自立型では日勤だけですし残業は少ないので、家庭との両立は可能です。

雇用形態

施設の運営母体や入居者の状態で雇用形態も違ってきます。概して看護師の人数が少ないので、自立型では常勤一人、もしくは非常勤のみ交代で勤務する、という施設もあります。夜勤があれば多少人数は増えますが、看護師の勤務は一人というケースは少なくないと思います。

なお、雇用形態は自分のライフスタイルに合わせて選択できますし、経営母体の方針や勤務状況にもよりますが、ダブルワークも可能です。

ケアハウスへ転職するときの留意事項

ケアハウスはブランクが長くても働ける職場です。教育システムが整っていて、お年寄りが好きな人であれば転職しやすいといえるでしょう。それでも、経営方針や入居者の状態によって業務内容などは異なりますので、自立型か介護型か、また、入居者の人数や状態、看護師と他職種の人数など、事前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。

＜執筆者プロフィール＞

赤尾 治子(あかお・はるこ)

横浜市大医学部病院で14年間、介護老人保健施設で6年間の勤務を経て、株式会社とらうべ入社。現在は学校や企業の保健業務、介護施設の紹介、医療記事の執筆を担当。介護支援専門員(ケアマネージャー）の資格を取得予定

＜監修者プロフィール＞

株式会社 とらうべ

医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供