訪問看護・介護の看護師求人/病院・施設情報

訪問看護とは

訪問看護は、看護師が医師からの指示に従い病気や障害をもっている方のお宅を訪問し、病状に応じたその人らしい療養生活が送れるように支援するものです。

地域の訪問看護ステーションから利用者の居宅を訪ね、必要があれば医療処置を行います。ただし、訪問看護を受けられるのは「要看護」と認定された人に限られています。いわば、住み慣れた場所での療養を望んだ方を援助する仕事といえるでしょう。また、自宅で最期を迎えたいと希望するケースでは、終末期に沿った看護を行います。

訪問看護：仕事内容

訪問先が高齢者の場合、日常生活の能力が低下して一人ではできないことへの支援、病状の観察などがおもな業務内容です。また、がん末期患者など終末期を自宅で過ごしたい方にも相応の看護ケアを行います。具体的な仕事内容は以下のとおりです。

・病気や障害の状態、体温・脈拍・血圧などのチェック

・医師の指示による医療処置

・酸素、人工呼吸器、点滴などの医療機器の管理

・床ずれの手当、防止の工夫や指導

・事故防止などの工夫・相談・アドバイス

・家族への介護支援や相談

・食事や排泄などの指導、必要があれば介助

・痛みのコントロール・緩和・服薬チェック

・主治医・ケアマネージャーなどとの連携

・緊急時の対応

訪問看護：働き方

訪問看護では、訪問先においてその都度判断しながら、責任をもって仕事を行っていく必要があります。ですから、患者のQOLが高まるか否かは、看護師の関わり方によっても大きく変わるといえます。しかしながらこれは、看護を行う者にとっては「看護の原点」かもしれません。このような仕事を適切に行うためには、一定レベル以上の臨床経験や医療知識・技術が必要になってきます。

続いて、訪問看護の仕事をするメリットやデメリットをみてみましょう。

<メリット>

○ 需要は増えている

目下政府が在宅療養を勧めており、今後ますます仕事は増えていく傾向です。

○ 夜勤がない

緊急時の呼び出しなどは提携している医院が対応しますので、基本的に看護師に夜勤はありません。

○ 自分の働きたい時間だけを働くことも可能である

1件訪問すると看護はいったん終了するため、自分で働く時間や訪問件数を決めることもできます。自分で働き方を選択できるので、ワークライフバランスには向いています。

○ 報酬が高い

訪問看護では一定以上のスキルを要求されます。臨床経験や医療知識を求められますので、報酬も高く設定されています。但し、その分責任も重くなります。

○ 利用者と長く関わることで深い信頼関係が築ける

担当が決まれば長期間にわたりその方と関わることになります。訪問というスタイルですから、病院などよりも接する時間は長いです。それだけに、小さなことでも喜んだり悲しんだりするなど気持ちを分かち合う時間が生まれます。また、家族とも親密になりますので、深い信頼関係を築けるでしょう。これらの要素は、訪問看護ならではやりがいにつながると思います。

<デメリット>

○ 看護師への負担が大きい

訪問先で困っても、その場ですぐに先輩に相談したり医師に指示を仰いだりすることができません。基本的に一人で判断して対処しますので、負担は大きいです。また、利用者との相性が悪いと、かなりのストレスを抱え込んでしまう事態が起こる可能性も考えられます。

○ 時間的に制約がある

利用時間に制限があり、その時間をオーバーすると別料金が発生しますので、基本的には決められた時間内に業務を終わらせなくてはいけません。そのため、もっと十分な看護をしたいという葛藤に苦しみ、病院以上に業務の制約を感じるかもしれません。

○ 教育やフォロー体制などの整備が遅れている

訪問看護自体が新しい制度ですので、教育やフォロー体制などはまだ過渡期といえます。利用者側も慣れておらず、家庭にいることで訪問看護以上の役割を要求され、看護師との間にズレが生じるケースも見受けられます。そのような事情により、看護師は独自で勉強を行い、最新の情報を収集する必要があります。

訪問看護へ転職するときの留意事項

訪問看護はまだ新しい事業ですから、多くの事業所で看護師の数は不足しています。場合によっては、勤務や休日などの希望が通らないという事態も否めません。堅実で働きやすい事業所かどうか、あらかじめ紹介会社やコンサルタントに詳細を聞くなど、納得ゆくまでリサーチして見極めましょう。

病棟などに勤務してミニドクターのような専門看護師を目指すよりも、本来の看護を学びたいと考えている人は、訪問看護師を志してみてはいかがでしょうか。今後、需要は非常に高まると見込まれていますので、看護師のスキルを活かせる仕事として視野に入れておきたい分野です。

＜執筆者プロフィール＞

南部 洋子（なんぶ・ようこ）

助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー

＜監修者プロフィール＞

株式会社 とらうべ

医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供