病院の看護師求人/病院・施設情報

「病院で働く」とは：看護師の役割と働き方

看護師の仕事の基本は「医師の診療を補助し、患者やその家族の助けとなる」ことです。病院でもその役割は変わりません。

〇　仕事内容

担当する診療科によって実際の業務内容は異なりますが、「医師と協力して患者が回復に向かうための治療や援助を行う、家族のケアをする」という看護師の役割は同じです。

どの科でも共通する業務としては、医師の指示のもと行う、患者の血圧・体温・脈拍の測定や注射や採血などが挙げられます。また、入院患者への問診、検査の介助、食事や身の回りの世話、看護記録の作成なども行います。さらには、夜間の救急やナースコールにも対応しますし、患者やその家族への説明や聞き取り、話し相手にもなります。

もちろん、看護師間でのミーティング、医師も含めたカンファレンス、勉強会や研修への参加、後輩への指導なども看護師の業務です。

〇　勤務体制

病院でも外来の勤務だと夜勤はありませんが、病棟に勤務する場合、24時間体制で入院患者の看護にあたります。ですから、勤務スケジュールは3交替あるいは2交替で管理されていて、組まれたシフトに従って勤務につきます。

看護師の病院での一日

実例として2交替の業務内容をご紹介しましょう。

＜日勤＞

8時半　業務スタート、夜勤担当者から申し送り

9時　情報収集、病棟ラウンド、必要に応じてバイタルサインチェック

11時半　配膳、配薬、必要があれば食事介助

11時半　交代で看護師の食事

13時半　カンファレンス

14時　ラウンド、バイタルサインチェック

15時　カルテ記録

16時半　夜勤者へ申し送り・カンファレンス

17時　終業

＜夜勤＞

16時半　申し送り

17時　ラウンド、バイタルサインチェック

17時半　配膳・配薬

18時　必要時食事介助、下膳

19時　バイタルサインチェック、点滴交換

20時半　配薬、トイレ介助など

21時　就寝、ラウンド

23時　情報交換、看護記録の整理

1時・3時・5時　ラウンド、合間に仮眠

6時半　ラウンド、バイタルサインチェック、モーニングケア

7時半　配膳・配薬・食事介助

8時　看護記録

8時半　日勤看護師へ申し送り

9時　終業

雇用形態

一般の企業と同じように、看護師も正規職員、パート・アルバイト、派遣などの雇用形態があります。

「正規職員」

常勤として責任ある仕事を担い、昇給、賞与、社会保険や福利厚生などの待遇を受けられます。キャリアアップを目指すために必要な、研修や教育なども受講可能です。病院によっては2交替や3交替などの勤務体制で働きますから、体力、精神力も求められます。

「パート・アルバイト」

結婚や出産など、自分の都合に合わせて働くことができる雇用形態です。また、他の施設で正規職員をしながら、時間が許せば別の仕事を掛け持ちする、といった働き方も可能です（ダブルワーク）。パートやアルバイトは短時間・短期間勤務のケースも多く、家族の扶養内で働いている人も少なくありません。

「派遣」

直接雇用ではなく、人材紹介会社などに登録し、紹介会社のスタッフとして病院に派遣される働き方です。給与や社会保険などは派遣会社の負担になります。

派遣の契約形態もさまざまです。一定期間就業した後、病院と本人が合意すれば正職員に並行する「紹介予定派遣」、育児休業中などの看護師に変わって一定期間だけ就業する「代替派遣」などがあります。

病院へ転職するときの留意事項

「転職」とは、勤めている病院やクリニックを退職して別の場所に移ることを指します。「転職」には理由があるはずですので、明確にしておきましょう。というのも、転職する病院が前の病院よりもよいとは限りません。次の病院に一番に望むこと、また、妥協してもよいこと、などを決めたうえで転職活動をしないと、「こんなはずじゃなかった」という事態になりかねません。

たとえば、派遣会社から病院の紹介を受けたら、自分で現地に足を運び、見学することをおススメします。給与や賞与といった待遇面も大事ですが、新しい職場の環境や雰囲気を知っておくことも重要な要素です。しかしながら、キャリアを積む、といった観点からは、できるだけ長く同じ病院に勤める方が近道と言えるかもしれません。

＜執筆者プロフィール＞

南部 洋子（なんぶ・ようこ）

助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー

＜監修者プロフィール＞

株式会社 とらうべ

医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供