知っていますか?熱中症の応急処置
投稿日: 2023年07月14日
連日の暑さで、今年はすでに熱中症警戒アラートが全国各地で何度も発令されています。熱中症予防には、水分や塩分をとったり、エアコンなどを使って室内の環境を快適に保つことが重要ですが、もし自分や周りの人に熱中症と思われる人が出てしまったら、どう対処すればよいのでしょうか。今回は熱中症の応急処置についてご紹介します。
熱中症かも?と思ったら・・・
炎天下や暑い部屋にいる時、吐き気や頭痛があるなら、熱中症を疑ってください。そして早急に、次の対応をしましょう。
涼しい場所に移動させる
建物がなかったら木陰でも構いません。日差しを遠ざけ外気熱をシャットアウトします。
衣服をゆるめる
服を緩めて風通しをよくします。ベルトやバンドをゆるめ、ネクタイは外しましょう。
身体を冷やす
タオルを濡らして、顔や手足に当て、うちわなどで扇いで、身体を冷やしてあげます。首、腋の下、鼠径部(足の付け根)には大きな動脈があるので、ここを冷やすと効果的です。保冷剤があれば、ここに挟んで体温を下げます。
水分を補給する
塩分(ナトリウム)の入った、スポーツドリンクや経口補水液が最適です。
このように応急処置をしながら、様子を見て、軽いか重いかによって、症状が重ければ救急車を呼びましょう。
熱中症のタイプ別応急処置
次に熱中症のタイプ別の応急措置をお伝えします。
熱失神
めまいや冷汗、一時的な失神が見られます。足を頭より高くし、涼しい場所で休ませます。
熱けいれん
手足のけいれんに加え、筋肉痛などを覚えます。大量に汗をかいたのに水だけ飲んで塩分をとらなかったりすると起こります。応急措置は塩分の補給です。上に挙げた経口補水液や生理食塩水(1リットルの水に9グラムの食塩を入れる)をつくって飲ませましょう。
熱疲労
全身の倦怠感や嘔吐、頭痛がみられます。大量に汗をかいて脱水症を起こしています。スポーツドリンクや経口補水液を飲ませ、足を頭より高く上げて脳に血液を送ってください。
熱射病
体温が高く、不自然な言動や意識障害もみられます。生命の危険もある重症です。できるだけ早く体温を下げることと、救急車を呼ぶことが大切です。そして、救急車が到着するまで、氷や保冷剤で身体を冷やしてあげてください。
乳幼児や高齢者の場合
症状は重くなくても体調が悪いようなら、病院に連れて行ってあげることが無難です。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン