イヤホンを毎日使っている人必見 耳カビの原因と対策
投稿日: 2022年10月25日
毎日の通勤電車で好きな音楽などを聴いている人は多いでしょう。最近はイヤホンも進化していて、フィット感や材質など、さまざまな種類から好きなものを選べるようになっています。でも実は、イヤホンを毎日のように長時間使っていたり、硬めのイヤピースやきつめのイヤホンを使っていたりすると、「耳カビ」の原因になるといわれています。そこで今回は、耳カビについて解説していきます。
耳カビとは
耳カビは専門的には「外耳道真菌症(がいじどうしんきんしょう)」と呼ばれています。大気や土壌、あるいは身体に常住しているカビ(真菌)が繁殖して感染する病気です。健康な状態のときには何でもなくても、ジメジメと湿気が高くなってカビが繁殖しやすくなったり、免疫力が低下したり、耳かきなどで掃除をしたときに傷をつけてしまったりすることで感染が起こります。
耳カビの症状
主な症状としては、耳がかゆくなったり、耳だれが出てきたりします。また、菌の繁殖によって鼓膜が覆われて耳が塞がってしまった感じになったり、ひどい場合は、難聴になったりもします。カビの種類によって治癒にかかる時間は変わってきますが、白癬菌ならカビを取り除いて軟膏を塗れば2週間くらい、毒性の強いアスペルギルスという真菌だと1~2か月もかかってしまう場合もあります。また、抵抗力が弱っていると、耳だけでなく鼻カビになったり、カビの菌が目に入って目が腫れたりすることもあると言われています。
耳カビの原因
毎日の通勤時にイヤホンで音楽を聴いている人は多いでしょうが、ヘッドフォンと違って、イヤホンは耳の中にイヤピースを挿入します。その際に指などによって耳を傷つけてしまうことがあり、それが耳カビの原因になることがあります。とくに、硬いイヤピースは傷つきやすいので注意して使用しましょう。
また、イヤホンによって耳の換気が悪くなり、耳の中の環境をジメジメとさせてしまうこともあります。とくにきつめのイヤピースは密閉性が高く、耳の中の湿度が高くなる原因にもなります。その結果、真菌の繁殖が起こりやすくなると、ちょっとした傷でも「耳カビ」状態になってしまうリスクが高まります。
耳カビの治療法
一般的な治療法は、耳鼻科の外来で外耳道のカビを清掃し、消毒液や抗真菌薬を患部に塗ることです。また、自宅では感染を抑えるために点耳薬を使ったりもします。
この病気は再発しやすいのも特徴だと言われています。そのため、できるだけ早期にこまめに治療をすることが大切だとされています。
耳カビ対策
毎日イヤホンを使っている人は、イヤピースのお手入れにも気を配りましょう。清潔に保っておくことが耳カビにも大切です。バックの中に入れっぱなしということがないようにしてください。
また、柔らかめの材質のものや少しゆとりのあるものを選ぶ、長時間使用しない、といったことも大切です。
ちなみに、耳(外耳)を傷つける原因としてはほかに耳かきが挙げられます。とくに入浴後の耳かきは、耳の内部の皮膚が柔らかいため、余計に傷つきやすいので要注意です。
イヤホンの使い方とあわせて耳かきによる耳掃除のやりすぎにも注意しましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン