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看護師のキャリアアップにつながる資格:助産師

投稿日: 2019年11月01日
最終更新日: 2023年11月27日

看護師のキャリアアップにつながる資格:助産師

 
執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ
 
 
看護学生時代に産科実習を体験して、「助産師になりたい」と思われた方は多いのではないでしょうか。
 
また、看護師として産婦人科病棟で働いてみて「助産師の資格を取りたい」と志した方もいるかもしれません。
 
助産師とはどのような仕事なのでしょうか。
 
資格の取得方法などを含め、詳しく解説します。
 

 

助産師の現状

 
助産師資格は、看護師資格と同じく国家資格です。
 
2016年現在、日本で助産師資格を持っている人は36,000人ほどです。
 
看護師が100万人、保健師が5万人いますから、これらの資格に比べて数が少なく、いつも人手不足の状態です。
 
なお、助産師国家試験の合格率は例年95%以上で、看護師の国家試験合格率よりも高くなっています。
 
 

助産師の仕事内容

 
お産に立ち会って赤ちゃんを取り上げる仕事、というイメージの強い助産師ですが、実際はそれだけにとどまりません。
 
妊娠中の健康管理や生活指導、母親学級や両親学級、産後の母子の体調管理、母乳指導、新生児指導など、助産師は母子の健康を守るために一連の生活をサポートする役割を担っています。
 
なかには、妊婦健診を担当する助産師外来を開設している病院もあります。
 
また、正常分娩の場合は、医師がいなくても助産師の判断で分娩介助ができます。
 
ですから、助産師になると、病院で働く以外に自分で助産所を開業することも可能なのです。
 
最近では、不妊治療や更年期の相談、子ども向けの性教育なども行っていて、助産師の仕事の幅は広がってきています。
 
 

助産師資格を取る方法

 
助産師の資格を取得する方法はいくつかありますが、いずれの場合もまずは看護師の資格を取ることが前提になります。
 
その上で、助産師資格を取るためのルートをご説明しましょう。
 
 
● 看護師と助産師両方を同時に取得する
 
大学卒業と同時に看護師と助産師の両方の国家資格を取るルートです。
 
4年制大学で助産師養成課程がある大学に進学しましょう。
 
看護学部や看護学科の助産師養成課程を選択し、4年生時に2つの国家試験に合格すると、卒業後すぐに助産師として就職することができます。
 
とは言え、4年間看護師と助産師の勉強を両立するのは、効率的ではあるものの楽な道ではありません。
 
また、4年制の看護大学や看護学科などは増加傾向ですが、すべての大学に助産師養成課程があるとは限りませんし、各大学によって定員も違います。
 
大学を選択する際は、課程の有無や定員をしっかり確認してください。
 
なお、なかには成績順に優先枠を設けている大学もありますので、こちらも事前にリサーチしておくことをおすすめします。
 
 
● 看護師の資格取得後に助産師の資格を取るルート
 
(1)助産師養成学校に進学
 
看護系の4年制大学や3年制の短期大学、3年制の看護専門学校を卒業して看護師資格を取得した後、助産師養成学校に進むルートです。
 
大学や短期大学は、看護専門学校と比べると、一般教養を学べる点が特徴的です。
 
3年制短期大学は減少傾向ではあるものの、3年間で看護師国家試験の勉強に集中することができます。
 
3年制看護専門学校は、看護について専門的な知識やスキルを学ぶ学校です。
 
卒業後、看護師としてすぐに現場で適応できるように、実習が充実していることが多く、さまざまな体験を通じて対応力を養います。
 
カリキュラムや費用は学校によってかなり違いますので、最新の学校情報をチェックしましょう。
 
そして、看護師の学校を卒業した後は、助産師を育成する助産師養成学校に通うことになります。
 
医療機関で実習を行い、母子ケアや分娩介助について学びます。
 
助産師養成学校は、数も定員も少ない上に倍率も高いので、助産師国家試験よりも入学試験のほうが難易度は上といわれています。
 
(2)大学の助産専攻学科に進学
 
4年制大学を卒業して看護学の学位を持っていて、なおかつ、看護師資格を持っている場合は、大学の助産専攻学科へ進学するという選択肢もあります。
 
看護大学卒業後に続けて進学することもできますし、大学卒業後社会人経験を経て入学することも可能です。
 
 

助産の専門課程で学ぶ内容

 
助産師の専門課程では、次のようなことを学びます。
 
 
● 基礎助産学
 
 ・助産学概論:助産師の歴史・社会的役割
 ・人間の性と生殖:女性の体、妊娠の仕組み、婦人科疾患
 ・生殖の生理と病態:妊娠・分娩・産褥について
 ・母子の社会学:母親の心理や母子のあり方について
 ・生命倫理
 ・母子の健康
 
 
● 助産診断・技術 
 
 助産師に必要な知識や、助産師として働く上で欠かせない技術を習得します。
 
 妊婦検診、母親学級の計画、分娩の介助、沐浴、産褥期の指導や新生児の介助技術など、妊娠から出産、産褥期における助産師の役割をトータルで学びます。
 
 実習には、病棟での実習の前に行う学内実習と、病棟で行う臨床実習があります。
 
 学内実習では、人形を用いて沐浴の練習をしたり、出産の仕組みを理解するためにファントームという器具などを使用して分娩の練習をしたりします。
 
その後、実際に病棟に出て、妊娠~出産~産褥期の妊婦や母子の世話をします。
 
また、助産活動として、初潮期の性教育や知識の普及、更年期障害など、女性のライフサイクル全般に関する技術を習得します。
 
 
● 地域母子保健
 
地域行政での母子保健活動や行政のしくみ、活動などを学びます。
 
 
● 助産管理
 
助産師として必要な法律のほか、産院・産科のありかたを学びます。
 
 

助産師資格は看護師の仕事にも役立つ

 
産科の業務において看護師と助産師の決定的な違いは、「助産行為を行えるかどうか」です。
 
すなわち、助産行為を行うことのできる看護師が助産師だともいえます。
 
看護師の資格だけでは、たとえ医師からの指示であっても助産行為を行うことはできません。
 
ですから、看護師が分娩に立ち会う際は、医師や助産師の補助的役割を担います。
 
つまり、直接的な介助ではなく、間接的な介助だといえます。
 
もちろん、助産師も間接的な介助を行うケースはありますが、看護師よりも先を見通した介助が可能です。
 
たとえば、胎児の心音を聴いたときに少しでも悪い音がすれば、医師の指示がなくても保育器をすぐ使えるように準備する、などです。
 
また、看護師として内科や外科病棟など産科以外に勤務する場合も、助産師の資格は役に立つことがあります。
 
たとえば、合併症を起こした妊婦が入院しているケースでは、胎児の心音をきくなど、積極的な妊婦管理ができます。
 
 

助産師の資格と給料の関係

 
前述のとおり、助産師は看護師よりも人数が大幅に少なく需要も高いので、看護師と比べ給与水準は良いです。
 
施設によってかなり幅はありますが、年収にして90万円位、月平均70,000~75,000円ほど、看護師よりも高いようです。
 
分娩時に赤ちゃんを取り上げる人、というイメージの強い助産師ですが、実は女性の一生に関わる大切な仕事です。
 
病院や産院で働く以外に、企業などに所属したり、自分で助産所を開いたりすることもできます。
 
助産師の活躍の場は、今後もますます増えていくでしょう。
 
 

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看護師のキャリアアップにつながる資格:助産師:まとめ

 

  • 助産師は看護師や保健師に比べ有資格者が少ない
  •  

  • 分娩時以外にも、妊娠中の健康管理、産後の母子の体調管理、母乳指導、新生児指導などの役割を担う
  •  

  • 助産師は自分で開業できる
  •  

  • 助産師になるためには、大前提として看護師資格が必要
  •  

  • 助産師と看護師の資格を同時に取るためには、助産師養成課程がある4年制大学に進み、2つの国家試験を受験する
  •  

  • 看護師資格を保有している場合は、助産師養成学校か助産専攻課程を設置している大学に進む方法がある
  •  

  • 学校では、助産概論をはじめ、助産技術や生命倫理・地域母子保健などについて学ぶ
  •  

  • 実習では実際に妊婦と接して、お産に立ち会う
  •  

  • 助産行為は助産師にしかできず、看護師は立ち会っても間接的介助のみ
  •  

  • 助産師の給与は、看護師よりも月平均70,000円~75,000円ほど高い

 
 
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

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