『ジューンブライド』の由来とは
投稿日: 2023年06月05日
6月と言えば、『ジューンブライド』。今月、入籍や挙式を予定している方も多いのではないでしょうか。ところで、なぜジューンブライドという習慣が生まれたのかご存知でしょうか。今回は、その由来についてご紹介します。
ジューンブライドの由来:3つの説がある
『ジューンブライド』は、「バレンタインデー」と同じようにヨーロッパから伝わってきた習慣です。本家ヨーロッパでは、その由来に3つの説があるとのこと。また、日本にこれが伝わってきた事情も、チョコレート業界と同じように、ホテル(ブライダル)業界には思惑があったようです。
では、3つの由来から。
6月は一番天気のいい月
ヨーロッパは6月がもっとも雨が少なく、気温もよい月。できればウェディングドレスが汚れないように、雨は避けたいという願いがあったそうです。きわめて合理的ですね。
農業の繁忙期はダメ!
3-5月は農作業の一番忙しい時期だった昔のヨーロッパでは、そんな時期に結婚式を挙げることは「禁止」されていたそうです。ですから、婚約をしているカップルは待ちわびたように、農作業のピークが終わった6月に結婚し、6月は結婚ラッシュ時となったそうです。
女神ヘラ(ユーノー)にちなんで
ギリシア神話の最高神「ゼウス」の正妻は「ヘラ」で、最高位の女神として、結婚・出産・女性や子ども・家庭の守護神、つまり、結婚生活の守護神とされています。ヘラはローマ神話では「ユーノー:JUNO」と呼ばれ、6月1日が記念日だそうです。また、6月は英語では June:ジューン ですが、イタリア語では Juno つまり、6月のヨーロッパ名の由来にもなっています。ですから、その6月に結婚すると、「ユーノーに見守られる花嫁」、「幸せになる花嫁」と縁起をかつがれたようです。
日本の結婚事情
このような由来があってヨーロッパでは昔から『ジューンブライド』は盛んだったようですが、日本の事情はどうなっているのでしょうか。
1960年代の終わりからホテル業界で『ジューンブライド』がキャッチコピーに使われるようになったようです。というのも、ヨーロッパと違って日本では6月は梅雨の真っ最中。ですから雨の日が多く、かつてはホテルを中心としたウェディング業界では、6月はもっとも売り上げが落ちる月だったようです。そこで1967年ころ、東京の有名ホテルがヨーロッパのこの習慣を宣伝に利用して始めたのが『ジューンブライド』。「売り上げ戦略」だったわけですね。そういうことなら、6月でなければ幸せになれないということでもなさそうですし、昨今の天候不順で6月といっても雨ばかり降っているわけではありません。結婚式は1年中いつ挙げてもOKというとこだと楽観視しましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン