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高齢者に発症者が多い「パーキンソン病」について

投稿日: 2023年09月08日

ふるえ

治療が難しくて慢性化の経過をたどり、本人や家族の身体にも精神にも、そして経済的にも大きく負担がかかる病気のことを「難病」と呼びます。そんな難病の一つとされているのが、パーキンソン病です。今回はパーキンソン病についてみていきましょう。
 

パーキンソン病は高齢者に多い

脳の異常のために身体の動きに障害が起こる病気です。パーキンソン病は高齢者に多く見られます。ですから、超高齢社会が進むにつれて患者数も増え、注目度も高まってきました。現在、日本では1000人に1~1.8人の割合で患者さんがいて、65歳以上になると100人に1人が発症すると言われています。ただし、パーキンソン病は若い人が発症する場合もあります(若年性パーキンソン病)。有名な例に映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主人公を演じたマイケル・J・フォックスさんがいます。1990年頃からパーキンソン病の兆候が見られたとのことですから、発病したのは30歳ころになります。
 

パーキンソン病の症状

パーキンソン病には代表的な「四大症状」と呼ばれる症状があります。
 

  • 安静時振戦(しんせん):安静にしていると、手足に細かな震えが生じます。
  • 無動(むどう):動作が遅く・少なく・小さくなって、歩く速度が遅くなったり歩幅が狭くなったり、腕の振りが小さくなったりします。
  • 筋固縮(きんこしゅく):筋肉がこわばって、腕や足を動かそうとすると、関節がカクカクとするような抵抗感があります。
  • 姿勢反射障害:転びやすかったり前かがみになりやすくなったり、バランスが取れなくなって倒れやすくなったりします。

 
このように、パーキンソン病は手足が震えたり筋肉がこわばったり、関節の曲げ伸ばしが自由にできなくなって、身動きがままならなくなる病気です。
 

パーキンソン病の発症に関わる神経伝達物質

パーキンソン病の場合に問題なのは、筋肉や骨にではなく脳、しかも、脳の中で運動をコントロールする「線条体:せんじょうたい」の神経伝達物質に異常が起こることで発症すると言われていることです。脳からの指令は神経細胞を伝わって、最終的に手足の筋肉を動かしていきます。電気刺激としての司令が、長さ0.01~0.05ミリと言われる神経細胞を通って脳から筋肉へと伝わっていくのですが、神経細胞と神経細胞との間には「すき間:シナプス」があって、この間の情報伝達をするのが神経伝達物質です。うつ病などでよく知られるようになったセロトニンやアドレナリンなどがよく知られていますが、とくに運動に関連しているのは「ドパミン」と「アセチルコリン」です。大脳の中脳にある「黒質:こくしつ」から放出される「ドパミン」が線条体から「アセチルコリン」を放出させることで、全身に張り巡らされている神経網に運動の司令がスムーズに伝えられていきます。
ところが、パーキンソン病になると、ドパミンが減少し、アセチルコリンが過剰になって、二つの神経伝達物質のバランスが乱れて、さまざまな運動障害が起こってくることがわかってきました。脳内ホルモンとも呼ばれる神経伝達物質にはさまざまな役割があることが解明されてきていますが、ドパミンは「快感や幸福感を司る脳内ホルモン」とも言われています。ドパミンがたくさん分泌されるとそれだけ、快適に感じたり生きる意欲がわいてくるとされています。そして、運動の場合ドパミンは、運動をスムーズに行わせる重要な役目を果たしています。
 

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パーキンソン病の原因

ドパミンは加齢とともに少しずつ減少していきますが、パーキンソン病になると急激なスピードで減少していきます。ただし、どうして急激に減るのかという原因はまだ分かっていません。遺伝的な要因も指摘されていますが、ほとんどの患者さんの血縁者にパーキンソン病の患者はいません(孤発性パーキンソン病)。一方、喫煙や飲酒をしないまじめな性格の人にパーキンソン病が多い傾向だということがわかっています。しかしこれも、発症予防にはつながっているほどではありません。ですから、環境要因や性格要因についてもまだ原因はわかっていません。
 
ともかく、ドパミン不足が起こると身体の動きに影響が出て、運動が不自由になり、パーキンソン症状が起こることはハッキリとしてきました。ちなみに、これも高齢者に多い「認知症」にもさまざまなタイプがありますが、中でも「レビー小体型認知症」はパーキンソン病と関連が深いとされています。パーキンソン病の中脳の黒質を顕微鏡で見ると、たんぱく質の塊の「レビー小体」が多く発生していることが突き止められました。このレビー小体が「レビー小体型認知症」では大脳皮質のところにたくさんできています。そして、パーキンソン症状と同じ「ふるえ」などの運動障害を発症しています。
 
なお、実はパーキンソン病と同じ症状を持った別の病気もあります。こちらは「パーキンソン症候群:パーキンソニズム」と呼ばれ、パーキンソン病とは原因を異にします。コメディアンの加藤茶さんが罹った病気として知られています。
 
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

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