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知っているようで知らない人も多い漢方のお話

投稿日: 2023年01月24日

「東洋医学(あるいは漢方)」と聞いてどんなことを思い浮かべますか?「身体にやさしそう」、「西洋医学よりも治療に時間がかかりそう」など、なんとなくのイメージはあるけれど、実際のところどういうものなのかわからない、という人も多いのではないでしょうか。そこで今日は、漢方についてお話します。
 

漢方の始まり

健康や病気というと、まず思い浮かべるのは「病院」や「医師や看護師」あるいは、薬局の「薬」などではないでしょうか?私たちが日常生活で身近に利用している医療の多くは、ヨーロッパなど西洋で生まれ育ってきた「西洋医学」に基づいています。解剖・生理・外科手術・臓器移植・さまざまな検査・抗生物質・ステロイド剤など、多くのシステムや技術や薬などのモノや専門家を生み、長年にわたって病気と闘い続け、私たちの健康に貢献しています。でも昨今話題に上ることが多い超高齢化による加齢の影響や、原因のわからない不定愁訴、冷えや虚弱体質、月経不順や更年期障害、生活習慣病や慢性疾患などに対しては、西洋医学だけでなく東洋医学(漢方)もまた効果的であるといわれています。
漢方は、中国で生まれ日本に1300年以上前に伝来し、その後、独自の開発が行われながらも、明治維新による「西洋化」の波で一時は不遇の時代もありましたが、漢方は今、西洋医学の最前線でも積極的に取り入れられています。
 

漢方と西洋医学の違い

では、漢方とは具体的にどういうものなのでしょうか。西洋医学と比較しながら、漢方の特徴を見ていきましょう。
 

病気の捉え方の違い

通常、私たちが病院に行くと、医師の診察と医療スタッフによる検査が行われ、診断がくだされます。この結果、病気であれば治療が行われますが、病気でなければ治療は行われません。このように「白黒はっきり」しているのが西洋医学の特徴のひとつです。この点、東洋医学は違っています。
漢方では「ここからが病気、ここからは健康」と分けないで、健康な状態から徐々に進行して不調が現れ、からだが不調に耐えられなくなったときに病気が発症すると考えます。そして、不調が進行しているけれど、健康でもまだ病気でもない中間状態に対しても治療を施します。この中間状態を「未病:みびょう」と呼んでいます。頭痛、疲れやすい、更年期、肥満、ストレス、かくれ不眠、軽度認知障害など、今では病気と健康の中間状態で悩んだりつらい思いをしている人は増えています。
 

診察方法の違い

病院にいくと医師や看護師や検査技師などのスタッフが、診察や検査をしてくれます。漢方ではこの診察にあたる行為を「四診(ししん)」と呼んでいます。漢方医による「望診:ぼうしん」「問診」「聞診:ぶんしん」「切診:せっしん」です。望診は体形・姿勢・体の動かし方・顔・舌などを「観察」することです。問診は患者からの情報を聞くことで、自覚症状・症状の経過・既往歴・生活習慣などを「質問」されます。聞診は耳や鼻による観察で、患者の声の力強さ・コトバや発音の明瞭さ・呼吸の強弱や音の特徴・咳や内臓の音、においを嗅ぐなどの行為がなされます。漢方医の感性がキーになりますね。そして最後の切診は触診です。とくに、急性疾患には脈診、慢性疾患には腹診が重要と考えられています。腕や脚、背中の触診もよく行われるそうです。このように、漢方では医師の五感が診察で重要な役目を果たします。
この点、レントゲンやエコー、CTやMRIなどさまざまな検査機器を駆使する西洋医学とは対照的なところがあります。そして、診察の結果から判断される患者の状態のことを「証:しょう」と呼びます。これが「診断」に相当します。このときいくつかの概念が用いられ、その組み合わせで患者の個別状態が判断されます。また、証は患者の状態によって刻々と変化していくものだと考えられています。
 

薬の違い

病気の治療に用いられる「薬」は西洋医学の場合、できるだけ効率的にピンポイントで症状や病気の原因を取り去って、元の健康状態に戻すよう意図されているものが多いですが、漢方薬の場合、抵抗力を高め、からだ全体を整えて、ゆっくりと効いてくるように設計されています。ですから、個別の症状を抑えることが優先されるなら「西洋医学の薬」、自己治癒力を高めるように体質を改善していくなら「漢方薬」ということになるでしょうか。しかし、どちらも薬ですから安全に気をつけ、副作用に注意を払い、きちっと用法を守るという「アドヒアランス」は、同じように重要なルールです。
 

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コラム:漢方医の診察を受けるときの注意点

漢方医の診察を受けてみたい、と思った人は、近くに漢方を治療に取り入れている医師がいるかどうか、インターネットなどで検索してみましょう。
そして、受診する際は次の点に注意しましょう。
 

  • 化粧は控えめに:化粧によってからだの状態がはっきりと見えなくなり、コスメでにおいがわからなくなります。
  • 舌苔は落とさない:重要なポイントなので歯ブラシなどで落とさないようにします。
  • 受診前の飲食は避ける:診察前30~1時間は飲食を避けます。腹診を正確にするためです。
  • トイレは済ませていく:これも腹診を正確にするためです。
  • 服装は着脱が容易なものにする:これもまた、腹診を正確にするための準備です。

 
漢方医の五感によって診断される「証」は、治療にとって決定的な重要性があります。正確な診断のためにも、お伝えしたポイントに注意するとともに、診察の際にわからないことや心配なことがあれば、遠慮せずに聞いてみましょう。
 
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

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