こんな時には気をつけて!熱中症になりやすい条件とは
投稿日: 2022年07月21日
最終更新日: 2022年08月03日
熱中症になりやすい気候や環境とはどういう状態でしょう。身体の中の熱は血液や汗のはたらきで、体温のバランスを保っていますが、この作用は一定の環境や条件によって、はたらきにくくなります。そして、その結果熱中症を発症することがあるので、注意が必要です。
熱中症になりやすい3条件
次のような条件が重なると、熱中症のリスクが高まるといわれています。
高湿度
湿度は「熱の伝わりやすさや、水分の蒸発しやすさ」に影響します。それで、熱中症になる環境要因としては、一番重要だとされています。湿度が高い梅雨時に、洗濯物が乾きにくく、湿度が低い季節には乾きやすいのと同じ原理です。このように、湿度が高いと汗が気化しにくく、体温も上がりやすくなります。「からっと暑い」時ではなく「蒸し暑い」時こそ要注意です。
風が弱い
次に重要な要因は「風」です。風が強いと汗が気化しやすく、体温も下がりやすくなります。
輻射熱が強い
三つめは、「輻射熱(ふくしゃねつ)」という要因です。これは、ビルの壁やアスファルトの地面などから放射される熱のことです。土や水などは熱を吸収してくれますが、コンクリートやアスファルトは反対に熱を反射します。「都会で無風、湿度が高い」が最悪です!
このように、気温以外にも、さまざま要因が熱中症を発症させることに関わりがあります。
「暑さ指数」をマスターしよう
「暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)」という基準を聞いたことがある人は多いでしょう。これは、熱中症を予防することを目的にアメリカで提案された指標です。単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なり、これまでお話した ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れて造られた指標です。現在、この暑さ指数(WBGT)は、労働環境や運動環境の指針として有効だと認められています。
日本生気象学会では、熱中症について、「日常生活に関する指針」を次のように公表しています。
こうした情報は、地域ごと、時間ごとに、環境省のホームページやニュースで発信されていますから、とくに夏場はこうした情報に注意を払って、対応できるようにしてくださいね。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
助産師・保健師・看護師。株式会社Mocosuku社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当