ジャンクフードが身体に悪い理由とは
投稿日: 2023年12月22日
ジャンクフードが大好き!という方もいると思いますが、「身体に悪いから極力控えている」という方もいるでしょう。ではそもそもジャンクフードはなぜ身体に悪いのでしょうか。今回はその理由について解説します。
このページの目次
ジャンクフードはなぜ身体に悪いの?
ジャンクフードのジャンクは「がらくた」「くず」を意味する英語で、一般的には糖質・脂質・塩分が多く高カロリーで、ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足している食品のことを指しています。
糖質・脂質・塩分は健康な身体を維持するのに欠かせない栄養素です。しかし、これらが働くのにはビタミンやミネラルが必要です。また、摂った糖質や脂質の吸収を調節したり腸内環境を整えたりするのには、食物繊維が大きな役割を果たしています。つまり、ビタミンやミネラル、食物繊維を摂らずに糖質・脂質・塩分だけだと、本来の働きができないだけでなく、使われなかった分が脂肪に変わり蓄積されて肥満の原因になったり、体内のビタミンやミネラルを必要以上に使って不調を引き起こしてしまったりと、健康を害する可能性があるのです。ですから、ジャンクフードは栄養の偏った食事になりやすく、健康に悪い影響を与えてしまいがちです。加えて、噛まずに食べられる「噛み応えがない」ものが多く、満腹感が少ないのに高カロリーを摂取してしまいます。このようなことから「がらくたの食べ物」と呼ばれてきました。
具体的に次の食べ物が該当します。
・ハンバーガー
・ポテトチップス
・カップラーメン・やきそば
ほかにも、菓子パンやドーナッツ、甘い清涼飲料水なども糖質と脂質がメインのジャンクフードです。
ジャンクフードの食べ過ぎによって起こる不調とは
ジャンクフードを頻繁に食べると不足しやすい栄養素や、その結果起こり得る不調を紹介します。
・ビタミンB1(豚肉、納豆、胚芽米など)の不足→倦怠感、集中力の低下、イライラするなど
・ビタミンB2(レバー、納豆、卵、たらこなど)の不足→皮膚や粘膜の炎症(とくに口内炎や口角炎、舌炎など)
・ビタミンC(柑橘類、キウイ、芋類、キャベツ、ブロッコリーなど)の不足→免疫力の低下や肌荒れ、関節の痛み、うつ状態など
・鉄(レバー、カツオ、アサリ、小松菜など)の不足→貧血、頭痛、疲れなど
・亜鉛(牡蠣、ウナギ、チーズなど)の不足→味覚障害、代謝の低下など
・カルシウム(牛乳、チーズ、小魚、高野豆腐、小松菜など)の不足→イライラする、歯や骨がもろくなるなど
ジャンクフードを食べるときの注意点
ジャンクフードは出来るだけ食べる頻度を少なくすることが適切です。しかし、安い・手軽・速いなどのメリットがあるので選ばれている側面もあります。ジャンクフードを摂る際には次の二つのポイントを押さえておきましょう。
続けて食べないようにする
悪影響のない範囲で取り入れることが必要です。適量が決まっているわけではありませんが、毎日毎食にならず、続かないようにしましょう。
不足する栄養素をプラスする
最近では健康志向が高まり、外食・中食(買って家で食べる)・手作りなど、どんな環境でも選び方で栄養価を高めることは難しくありません。主食・主菜・副菜をそろえるバランスを考えた食事を心がけることが大切です。その中の1品としてジャンクフードを食べるなら、足りないものを補う工夫をしましょう。
ジャンクフードだから悪いというより、毎日の食事バランスや体調に気をつけながら上手に選べば、「がらくた」も「必要なパーツ」になり得るのではないでしょうか。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら ゆうな)
保健師・看護師。株式会社Mocosuku社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当