夏休みと言えば・・・「ラジオ体操」 秘められた健康効果とは?
投稿日: 2023年08月04日
学校などの夏休みも中盤に入りましたね。夏休みというと、子どもの頃に参加していたラジオ体操を思い出す方もいるのではないでしょうか。当時はいやいや参加していた、と言う人もいるでしょうが、実はラジオ体操にはさまざまな健康効果が期待できます。そこで今回は、ラジオ体操について取り上げていきます。
ラジオ体操の歴史
ラジオ体操は「国民保健体操」の名で、昭和3年11月1日に放送が始まりました。その後、昭和26年に「ラジオ体操第1」、翌年に「ラジオ体操第2」が放送開始され、現在に至っています。途中、戦時中には「ラジオ体操第3」も作られたそうですが、今は、廃止されています。
第1体操と第2体操は、それぞれ3分10秒ほどで、13種類の運動が組み込まれています。「必要な身体の動きが全て行うことができる」といわれ、まんべんなくカラダを動かし、バランスよい運動としても優れものです。また、ダイエットやメタボ予防、けが予防のウォーミングアップなど、さまざまな効果があるとされています。さらに、音楽に合わせて行うので、子どもからお年寄りまででき、「いつでも、どこでも、だれでも」できる、という点がラジオ体操の最大の魅力とも言えます。
ラジオ体操のメリット
そんなラジオ体操のメリットは次の点です。
- 老若男女だれでも、軽快な音楽に合わせて負担の軽い運動を行うので、飽きることなく、無理なく筋肉や骨が鍛えられる
- 全身の筋肉を使うので、全身の血流がよくなる。それで脳が活性化され、記憶力や集中力にも効果的。また、カラダが柔らかくなってけがをしにくくなる
- 毎日3回、決まった時間に行うので、生活リズムが整えられる。朝イチで脳を目覚めさせ、仕事始めや勉強前の切り替えスイッチの役目を果たすなど、生活にも応用ができる
- 正しい動きでしっかりやると、第1と第2合わせて約6分半で、速足でウォーキングしたのと同じおよそ25kcalを消費することができ、結構ハードな運動にもなる
- ふだんの生活では行わない、ジャンプや身体そらしなどもあって、腕や脚、表裏両方の筋肉を鍛え、全身の引き締め効果もある
ラジオ体操の7つの健康効果
以上の点から、次のような7つの健康効果が指摘されています。
- 1.血行がよくなり、肩や首のコリが解消する
- 2.柔軟性の向上
- 3.新陳代謝が向上し、ダイエット効果が期待できる
- 4.便秘などの改善
- 5.冷え性の解消
- 6.免疫力の向上
- 7.腰痛の予防や回復
ラジオ体操の普及・促進に努めている「NPO法人全国ラジオ体操連盟」は、「毎日続けることで、加齢や生活の偏りなどが主な原因となる体のきしみを取り除き、人間本来がもっている機能をもとの状態に戻し、維持する効果があります」と表明しています。大人になってから全くラジオ体操をしていない、と言う方も再チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン