皮膚の面積は○○と同じくらい!
投稿日: 2022年04月13日
最終更新日: 2022年06月06日
皮膚は人間の身体の中でもっとも大きな「臓器」です。
大きさは約1.6平方メートル、たたみ1畳分くらいの面積です。重さも体重の約16%を占めています。ちなみに、内臓の中で最も大きな肝臓は体重の約2%です。
「皮膚がもっとも大きな臓器」ということ、お分かりいただけるかと思います。
皮膚の働きと構造
さて、身体と外界とを隔てている「皮膚」は、わずか平均2ミリメートルほどの厚さですが、臓器としてさまざまな働き(機能)をもっています。
代表的な働きは、1.保湿:水分の蒸発や透過を防ぐ、2.体温調節:暑さや寒さに対して体温を一定に保つ、3.バリア(保護):外からの物理・化学的刺激や病原体から身体を守る、の3つです。
また、「表皮(ひょうひ)」「真皮(しんぴ)」「皮下組織」の3つの層からできています。
表皮
足の裏のように厚いところと、唇やまぶたのように薄いところがありますが、平均すると0.2ミリくらいの薄い膜で、外側(表面)から「角(質)層」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層」の4層構造になっています(一部皮膚の厚いところには「淡明層(たんめいそう)」もあります)。
表皮の95%は「角化細胞(ケラチノサイト)」で、残りの5%が「色素細胞(メラノサイト)」と「免疫細胞(ランゲルハンス細胞)」などです。
真皮
表皮との間の「基底膜」を隔て、その下に毛細血管や知覚神経などが張りめぐらされている「乳頭層(にゅうとうそう)」と、真皮の大部分を占める「網状層(もうじょうそう)」があります。
網状層は線維成分が密な組織で、皮膚のハリや弾力性を保っています。「ハリ」に関わるコラーゲンを成分とする「膠原線維(こうげんせんい):70%」、弾力性に関わるエラスチンを主成分とする「弾性線維(だんせいせんい):2%」が組み合わさった「間質成分(かんしつせいぶん)」と、これを産み出す細胞から構成されています。
そして、ヒアルロン酸などゲル状の「基質(きしつ)」が、そのすきまを満たしています。
これらは免疫にも深くかかわっています。
皮下組織
最下層の「皮下組織」は大部分が「脂肪細胞」でできています。
性別、年齢、部位などによって厚みに差があります。
表皮や真皮のクッション役を果たしたり、中性脂肪をためたり、体熱の喪失を防いだり(断熱)しています。
また動脈・静脈が通っているので、皮膚組織に栄養を届けたり、老廃物を運ぶ役目を果たしています。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン