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訪問看護師のニーズと求人の実態

投稿日: 2019年11月15日
最終更新日: 2024年02月21日

 
執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
 
 
訪問看護師という職種に興味を持った時、最も気になるポイントの一つは求人内容でしょう。
 
求人数や倍率、給与や勤務形態、具体的な仕事内容、求められるスキルなども把握しておきたいところです。
 
訪問看護のフィールドを目指す際、知っておきたい基本情報をお伝えします。
 

 

社会全体で高まる在宅医療のニーズ

 
超高齢化が進み医療費も年々増大する日本。
 
入院期間はできるだけ短く、自宅療養を推進する流れは、看護師として、また、ひとりの生活者として、さまざまな場面で感じていると思います。
 
在宅医療のニーズが高まる中で、在宅医療を掲げる病院やクリニック、訪問看護ステーションなどは増加の一途をたどっています。
 
通院が困難な患者が自宅療養を希望する場合、訪問看護や訪問介護なしには、なかなか生活は成り立ちません。
 
にもかかわらず現状は、在宅医療に関する情報の周知不足や、訪問看護ステーションなどの絶対数不足といった問題から、すべてのニーズが満たされているとは言えません。
 
今後、入院療養から在宅療養へ、外来診療から在宅診療へ、という医療の転換が加速し、近い将来在宅医療が当たり前になる時代がくることも予想されます。
 
こうした見通しからも、中心的役割を担う医師や看護師の需要がますます高くなることは必至です。
 
それでは、実際のところ、訪問看護に関わる看護師の求人は、現在どのような状況なのでしょうか。
 
 

訪問看護に関わる看護師求人の実態

 
訪問看護師の人数は、2016年の時点で推定5万人、まだまだ十分な数とは言えません。
 
日本看護協会の調査によると、2016年度の看護師求人倍率は2.41倍。
 
看護師が働く場としては、病院や診療所、介護福祉施設などさまざまな選択肢があります。
 
施設種類別の求人倍率をみると、「訪問看護ステーション」は3.69倍と最も高く、前年の2.22倍を大きく上回っていることが報告されています。
 
また、求職者が就職の際に重視する条件としては、第一に「勤務時間」が挙がっています。
 
「訪問看護ステーション」を希望する求職者の特徴としては、「勤務時間」に次いで「看護内容」や「キャリアアップ支援」を重視する傾向があるようです。
 
夜勤の必要性も生じる病棟勤務と比較すると、訪問看護ステーションは日勤帯のみ、土日休みの事業所が多く、パートであれば訪問件数をセーブするという働き方も可能です。
 
子育てや介護などと仕事の両立を図りたい人にとっては、勤務時間の融通が利きやすい訪問看護の求人は魅力的だと思います。
 
また、病棟や外来では忙しくて一人の患者さんにじっくり関われない、思うような看護ができない、といった悩みを抱えている人もいます。
 
その点、訪問看護の「看護内容」は、訪問先で目の前の利用者や家族に正面から向き合う姿勢が求められます。
 
訪問看護認定看護師として活躍している人も多く、今後、キャリアアップを目指して、訪問看護の求人に目を向ける人はますます増えていくでしょう。
 
 

訪問看護師の給与はどれくらい?

 
訪問看護師として働くことを考えるとき、給与体系も非常に気になる要素でしょう。
 
看護師の平均年収は400〜500万円と推定されていますが、訪問看護師は同等、もしくは平均よりやや低い傾向にあるといえます。
 
その理由として考えられるのは「手当」による違いです。
 
看護師の就業場所の中で最も多い病院では、たいてい「夜勤手当」や「時間外手当」が支給され、給与の平均額を底上げします。
 
一方で、訪問看護師の就業場所として多いクリニックや訪問看護ステーションなどは、病院と比較するとこうした手当が低い可能性があるのです。
 
ただし、訪問看護ステーションでも、「資格手当」や「オンコール手当」がつく事業所もあります。
 
また、病院附属の訪問看護ステーションでは、賞与や昇給が望めますし、経験や年齢に応じた給与アップも期待できると思います。
 
パート勤務のケースでは、時給1,300〜2,500円程度で、地域や事業所によって差があります。
 
正社員や非正規といった働き方に限らず、給与や昇給、各種手当の有無など、求人によってさまざまです。
 
ですから、訪問看護師の求人情報を見る際は、複数を比較検討して、希望の条件に合う案件を見つけることが重要です。
 
 

役割が異なる「訪問介護」との違い

 
ここで、混同されやすい「訪問介護」と「訪問看護」について、仕事内容の違いを整理しておきましょう。
 
どちらも、住み慣れた自宅で安心して過ごせるよう支援する、という目的は同じです。
 
その中でもとくに、生活に関わる支援やアドバイスを行うのが、訪問介護を担うホームヘルパーなどの仕事です。
 
具体的には、食事や排泄、入浴、衣類の着脱などを援助する「身体介護」と、調理や洗濯、掃除、買い物などを行う「生活援助」に大きく分けられます。
 
一方で訪問看護では、病状の観察や医療的処置、利用者と家族の心理面のケアまで、多角的に健康面を支援することが求められます。
 
また、訪問介護を利用するには介護認定を受ける必要がありますが、訪問看護は医療保険を使って利用可能です。
 
訪問介護と訪問看護は、利用する患者や家族にとって理解しづらい面も多いため、適切に説明できるよう、訪問看護師も両者の役割について正しく把握しておく必要があります。
 
 

訪問看護師を目指すときの留意点

 
訪問看護の仕事は、看護師の資格を持っていれば、誰でも従事することができます。
 
求人の中には「臨床経験を3年以上有することが望ましい」といった記載も見られますが、最近では、新卒で訪問看護のフィールドを選ぶ人も増えてきています。
 
臨床経験の有無に関わらず、慣れるまでは先輩看護師と一緒に訪問し、関わり方や訪問看護特有の技術を学べるように、ほとんどの事業所がOJTによる育成方法を採用しています。
 
ある程度規模の大きい病院になると、教育カリキュラムが整備され、定期的に研究会を開催するなど、学ぶ環境が整っているというメリットもあります。
 
一方で、多くの小規模な訪問看護ステーションでは、受け身でいるとなかなか新たな学びを得られない、と思うかもしれません。
 
もちろん、事業所内のミーティングで行なう事例検討会や各地で開催されている研修会などへの参加によって、日々業務の振り返りや最新の情報を知ることは可能です。
 
いずれにしても、訪問看護師としてスキルアップを図りたい人は、より主体的な姿勢が必要になることを心に留めておきましょう。
 
 

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訪問看護師のニーズと求人の実態:まとめ

 

  • 在宅医療のニーズは社会全体で高まっている
  •  

  • 求人倍率は、看護師の求人の中でも訪問看護ステーションが最も高い
  •  

  • 勤務時間や看護内容を重視して、訪問看護ステーションを希望する求職者が多い
  •  

  • 訪問看護師の給与は、看護師全体の平均と同じか、やや低い傾向にある
  •  

  • オンコールや手当の有無により給与に差がでるため、複数の求人を比較して検討することが大切である
  •  

  • 生活を援助する訪問介護に対し、訪問看護は健康面の支援に重点をおいている
  •  

  • 臨床経験を要する求人もあるが、新卒で訪問看護をはじめる人も増えている
  •  

  • 教育環境は働く場によって異なるので、自ら進んで学ぶ姿勢が求められる

 
こちらの記事もご覧ください。
需要が高まる「訪問看護」の仕事内容とは
 
 
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

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