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<看護師の転職> 看護師の経験やスキルは他の職種でも活かせる?

投稿日: 2019年01月30日
最終更新日: 2024年02月20日

看護師の経験やスキルは他の職種でも活かせる?

 
執筆:青井 梨花(助産師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
 
 
臨床で培ってきた経験やスキルを活かしたい、さらなるキャリアアップを目指したい、として他の職種に転職する看護師もいます。
 
看護師が働く場所は、今や病院だけにとどまりません。
 
今回は、昨今拡がりを見せている、看護師が活躍するフィールドをいくつかご紹介しましょう。
 

 

ケアマネージャー(介護支援専門員)

 
●ケアマネージャーの基本情報
 
“ケアマネ”の通称で知られるケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護認定を受けた人が適切な介護サービスを提供してもらえるように取り計らう仕事です。
 
介護サービス計画(ケアプラン)の作成や介護サービスの調整・管理などのマネジメント業務です。
 
また、市町村からの依頼によって、要介護・要支援の方の状況や状態を把握するための訪問調査も仕事のひとつです。
 
介護認定を受けた人やその家族の現状をヒアリングして、適切なケアを受けられるように手配します。
 
ケアプランは、市町村などの行政機関や居宅サービス事業者、介護保健施設、医療機関などと連絡調整をしながら作成します。
 
ですから、ケアマネージャーとして仕事をするうえでは、コミュニケーション能力や調整能力が求められます。
 
ケアマネージャーとして活躍する場は多様にあり、病院や市区町村などの行政機関をはじめ、地域包括支援センター、介護支援事業所、訪問介護ステーション、居宅介護支援事業所、デイサービス・デイケアのような日帰り施設、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの療養型施設などが挙げられます。
 
 
●ケアマネージャーに活かせる看護師スキル
 
とくに、様々な病気を抱えたなかで介護を受けることが多い高齢者には、看護師の経験は役に立ちます。
 
介護を受ける人やその家族の身体的・心理的・社会的側面から、援助すべき課題を把握することが可能です。
 
看護師は、経験に基づいた視点からアセスメントして、より具体的な判断ができるという点が強みになります。
 
個別性を踏まえたプランを作成し、ケアを必要とする人にとって最適な選択に導く…看護師ならではのスキルを活かすことのできる、やりがいのある仕事と言えます。
 
 
●ケアマネージャーになるための要件
 
ケアマネージャーになるためには、介護支援専門員実務研修受講試験を受ける必要があります。
 
受験資格は、介護福祉士や社会福祉士などの国家資格に基づく保健医療福祉分野での実務経験が5年以上、または、生活相談員や相談支援専門員などの相談援助業務経験が5年以上、いずれかの条件を満たすことです。
 
なお、ケアマネージャーのさらなる専門性や質の向上を図るための見直し措置により、2018年から受験資格が一部変更になっています。
 
しかし、看護師の場合は、実務経験が5年以上あれば受験資格を満たします。
 
試験に合格した後は、まずは介護支援専門員実務研修を受講して課程を修了し、そのうえで介護支援専門員証の交付を受ければ、ケアマネージャーとして働くことができます。
 
 
「2025年問題」として取り沙汰されているように、2025年に1947~1949年生まれの“団塊の世代”が75歳に達することで、人口の約5分の1が後期高齢者となります。
 
政府はこの2025年を見据え、「地域包括ケアシステム」の構築を進めています。
 
目指すところは、住み慣れた土地で最期まで自分らしく生活していけるよう、高齢者介護を社会全体で支えるしくみの実現です。
 
なかでも、とくに介護・医療などが連携し、支援サービスを提供していけるような構造が推進されています。
 
ケアマネージャーはまさにその中心的役割を担う、これからさらに期待が寄せられる職種です。
 
 

看護教員

 
●看護教員の基本情報
 
看護師を目指す人に、看護師になるために必要な知識や技術を、講義や演習、実習を通して教え、育てる仕事です。
 
人口の5分の1が後期高齢者になる2025年問題に向けても、今後ますます多くの看護人材が必要とされています。
 
ですから、未来の看護師を教え育てる教員もまた、求められているのです。
 
さらに、2019年度から実践的な職業教育を行う新たな教育機関として「専門職大学」「専門職短期大学」「専門職学科」が創設されることになりました。
 
看護教育の4年制はさらに進むのではないかと考えられており、看護教員の需要も高まるだろうと言われています。
 
 
看護教員に活かせる看護師スキル
 
臨床経験を重ねると、後輩の指導や看護学生の病棟実習に携わる機会も増えてくるでしょう。
 
そうした教育を通して、後輩や学生の成長にやりがいを感じる人には向いている職種です。
 
臨床経験で培ってきた知識やスキル以外に求められる要素は、学生に共感する気持ちを持ち、わかりやすい授業・演習・実習を行うことです。
 
また、メンタル面にも気を配りつつ、ときには医療の厳しさを教え伝えていく側面もあるでしょう。
 
基本は変わりませんが、医療の常識は日々更新されていきます。
 
変化・進化し続ける医療や看護の現場に即した指導を行うためには、みずから積極的に最新の情報を収集する努力も必要です。
 
 
●看護教員になるための要件
 
働く場所によって要件が異なります。
ここでは大学や短大の看護教員と、専門学校の看護専任教員について見てみましょう。
 
<大学・短大の看護学教員>
 
学校ごとに違う点もあるため一概には言えませんが、5年以上の臨床経験のほかに、学士や修士、博士の学位が必要なところが多いようです。
 
研究機関の側面も持っている大学は、純粋に看護教員として学生の指導にあたるほか、研究を進めて論文を発表する、といった業績の積み重ねも求められます。
 
一番近道となる入口は、卒業した大学の教授や研究室とのつながりが多いかもしれません。
 
それ以外には、たとえば国立研究開発法人科学技術振興機構が運営する「JREC-IN portal」では、研究者の求人情報検索ができます。
 
関心のある求人があれば応募を検討してみるとよいでしょう。
 
<専門学校の看護専任教員>
 
やはり学校によって多少要件は異なりますが、5年以上の臨床経験があること、なおかつ、教員養成研修の修了者であることが必要です。
 
ただし、大学において教育養成研修と同等の学識経験(教育に関する科目を履修し卒業しているなど)があると認められれば、教育養成研修の受講は不要です。
 
ちなみに、看護実習に携わる看護実習指導員の講習は各都道府県で行われています。
 
 
夜勤のある病棟で勤務していてワークライフバランスが難しいと感じている人にとっても、看護教員は選択肢のひとつになると思います。
 
デメリットとして、急用の際、担当授業の代講依頼が難しいということが挙げられます。
 
そのため、家族の協力は不可欠と言えます。
 
 

MR(Medical Representative:医薬情報担当者)

 
●MRの基本情報
 
MR(医薬情報担当者)は製薬会社の営業職です。
 
おもな業務は、病院やクリニックなどの医療機関を訪問し、医療職に自社の医療用医薬品についての情報を提供すること、安全性(副作用など)や有効性(効きめや効果的な使用方法)に関する情報取集やそのフィードバックを行うといった内容です。
 
 
●MRに活かせる看護師スキル
 
「営業職」と聞いて、医療職とは畑違い、看護師とはかけ離れている…といったイメージを持つ方も多いかもしれません。
 
しかしながら、医療的な知識をもとに人と接する仕事、という点においては共通しています。
 
看護師は、患者さんやその家族への対応はもちろん、他職種との連携でもコミュニケーション能力を養える仕事です。
 
その経験やスキルを活用できるので、意外と向いている人が多いと言えるかもしれません。
 
むしろ臨床経験を積んだ医療職だからこそ、より説得力のある説明が可能ですし、高い信頼を得るための強みにもなります。
 
自社医薬品の適正な利用を目的とした安全管理情報の提供・収集・伝達という業務は、ひいては患者さんの病気の治療にも役立ちます。
 
活躍の場やアプローチの仕方こそ変わりますが、患者さんの健康に寄与する、という観点からも看護職と共通点の多い仕事です。
 
 
●MRになるための要件
 
製薬会社に就職して営業活動をするうえで、「MR資格」を取得したほうが給与面でも仕事面でも有利に働きます。
 
MR資格は業務上必須ではないものの、最近の傾向として、MR認定証のない営業は訪問できないという医療機関も出てきていると言います。
 
求人のなかには、MR未経験者・未資格者に対してMR認定資格取得のためのサポート体制を設けている企業もあるようです。
 
MRは企業に就職することになりますので、基本的に土日祝日は休みとなり、残業はあったとしても夜勤はありません。
 
夜勤勤務なしで看護職としての経験を活かしつつ、新たなフィールドでチャレンジしてみたい方には選択肢のひとつとなるでしょう。
 
 
そのほかにも、産業保健師、クリニカルスペシャリスト、医療看護系サイトや健康情報サイトの記事を執筆するライターなども候補に挙げられます。
 
医療機関に限らず、看護師の臨床経験やスキルを活かせる場はますます拡がっています。
 
転職には大きなエネルギーが伴いますが、前向きなチャレンジとして捉えれば、自分自身のキャリアアップにもつながるでしょう。
 
 

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看護師の他職種への転職:まとめ

  • 看護師が臨床で培ってきた経験やスキルを活かして、さらなるキャリアアップを目指すべく、ほかの職種に転職する人もいる
  •  

  • 看護師の他職種への転職として、ケアマネージャー(介護支援専門員)や看護教員、MR(医薬情報担当者)などが挙げられる
  •  

  • ケアマネージャーになる要件は、看護師としての臨床経験5年に加え、介護支援専門員実務研修受講試験を受け、実務研修の課程を修了することである
  •  

  • 看護教員になる要件は、臨床経験5年に加え、学士や修士、博士の学位が必要な場合や教員養成研修を修了していることが求められる場合がある
  •  

  • MRになるためには、必須要件ではないものの「MR資格」を取得しているほうが有利となる
  •  

  • そのほかに、産業保健師、クリニカルスペシャリスト、医療・看護系サイトや健康情報サイト記事を書くライターなど、医療機関に限らず看護師としての臨床経験やスキルを活かせる場は拡がってきている

 
こちらの記事もぜひご覧ください。
 
 
<執筆者プロフィール>
青井 梨花(あおい・りか)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー
株式会社 とらうべ 社員。病院や地域の保健センターなど、さまざまな機関での勤務経験があるベテラン助産師。現在は、育児やカラダの悩みを抱える女性たちの相談に応じている。プライベートでは一児の母。
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

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