本当にやりたい看護って何だっけ?看護師が「やりがい」を感じられなくなった時の対処法から、「やりがい」を感じられる転職先の探し方までを解説
投稿日: 2023年10月23日
最終更新日: 2023年11月17日
看護師の仕事は、多くの瞬間で「やりがい」を感じることができる一方で、時にその感覚を失ってしまうこともあります。そんな時はどう対処すればよいのでしょうか?また、新しい「やりがい」を求めて転職を考えている方には、どのような職場を探せばよいのでしょうか?そこでこの記事では、「やりがい」の本質から、やりがいを感じられなくなった時の対処法、そしてやりがいを感じられる職場の見つけ方までを詳しく解説します。
そもそも「やりがい」って何?
「やりがい」とは、個人が何らかの活動や業務に取り組む中で感じる達成感や充実感のことを指します。この感覚は、単にタスクを完了すること以上の、内面的な報酬や満足感としての側面を持っています。実際に、やりがいを感じることは、モチベーションを維持する要因にもなり、個人の成長や精神的な豊かさにも寄与します。
「やりがい」は、生命や健康を支える医療の現場ではさらに深い意味を持ちます。特に看護師には、そのプロフェッショナルなスキルや知識を活かし、患者の生命を守り、日常の生活の質を向上させることが求められます。このような役割を果たす中で、看護師は患者さんの回復を目の当たりすることが多く、自分のケアが役に立った、と感じることもたくさんあります。また、患者さんやその家族から感謝されることもあり、責任が重い分、達成感ややりがいを感じやすい職業とも言えるでしょう。
どんなことで「やりがい」を感じた?看護師のやりがいエピソードをご紹介
では、実際に看護師と言う仕事を通じてどんなやりがいを感じられることがあるのでしょうか。ここでは、看護師が仕事でやりがいを感じるエピソードの例を5つご紹介します。
1. 長期にわたる入院治療で患者さんが回復!感謝の言葉で「やりがい」を感じた
私は、とある病気で入院している患者さんのケアを担当しました。初めは彼の状態が非常に不安定で、家族も彼の将来について不安を抱いていました。しかし、治療が進むにつれて、容体は回復。一時は回復は難しいと思われていましたが、無事、退院できるまでになりました。退院する日、彼と彼の家族から感謝の言葉をもらい、これまでにない喜びを感じました。
2.早産で生まれた赤ちゃんが成長!お母さんの腕に抱かれながら退院する姿に感激
妊娠中から早産が心配されていた妊婦さんがいました。安静に努めていましたが、予定日より2ヶ月早く出産。赤ちゃんはNICU(新生児集中治療室)に入院しましたが、当初は呼吸が不安定で、定期的に酸素を必要としていました。私も数週間にわたり、その新生児のケアを担当し、赤ちゃんの成長と健康の回復を見守りました。それから3ヶ月が経過し、赤ちゃんは無事退院できることになりました。退院の日、お母さんの腕の中で眠っている赤ちゃんはどこか安心したような表情に見えました。その姿を見て、看護師としてのやりがいを感じました。
3.高齢の患者さんとの間で生まれた深い絆にやりがいを感じた
長期入院している高齢の患者さんがいました。病状だけでなく、年齢的なこともあり、彼女はしばしば孤独や不安を口にしていました。そんな姿を見て、私は心のケアもできるように意識していました。そんなケアを続けていたある日、その患者さんから「あなたがいてくれるおかげで、この病院での毎日が楽しくなった」という言葉が。看護師としてやりがいを感じた瞬間でした。
4.緊急時の対応で上司に褒められた
交通事故で大怪我をした患者が病院に運び込まれました。私は医師とともに迅速に手術の準備をし、患者の生命を救うために治療に当たっていました。手術が成功し、患者が一命を取り留めてほっと一息ついていたとき、上司から「よくやっていた」との一言をもらいました。自分の頑張りや成長を見てくれる上司のおかげで、看護師としてのやりがいを感じることができました。
5.後輩の成長にやりがいを感じた
看護学校を卒業したばかりの新人看護師が病院にやってきました。私は彼女の指導を担当し、実際のケアの場面での技術や知識を教えました。数ヶ月後、新人看護師が自分の手で患者のケアを無事に行い、患者や家族からの感謝の言葉を受け取っている様子を見た時に、指導者としてのやりがいを感じました。
看護師の仕事にやりがいを感じられなくなってしまったら
このように、看護師はさまざまなうれしい経験ができる仕事ですが、時にやりがいを感じられなくなることもあるでしょう。特に看護師の仕事は、他者の生命や健康をサポートするという重い責任を伴います。そのため、日々の業務の中で様々なストレスやプレッシャーにさらされることも珍しくありません。その結果、続けていく自信がなくなったり、やりがいを感じられなくなったりすることがあります。もしやりがいを感じられなくなってしまったら、次のことを意識しておこなってみてください。
振り返り
まず、自分がやりがいを感じられなくなった原因を明確にすることが大切です。それは業務の量や内容、人間関係、生活のバランス、キャリアの方向性など、様々な要因が考えられます。
休息を取る
精神的・身体的な疲れが溜まっている場合、十分な休息やリフレッシュが必要です。定期的に休日を取り、趣味やリラクゼーションに時間を使うことで、心身の回復を図りましょう。
ワークライフバランスを見直す
仕事だけでなく、私生活の充実も大切です。趣味や家族、友人との時間を大切にし、自分のライフスタイルに合った働き方を模索することも考えられます。
サポートを求める
同僚や上司、専門家など、信頼できる人に相談することで、気持ちを整理できます。外部の視点や助言が新たな解決策を見つけるヒントとなることもあります。
研修やセミナーに参加する
知識やスキルのアップデートは、新たなやりがいを見つける一つの方法です。新しい情報や技術を学ぶことで、業務に対する意識やモチベーションを取り戻すことが期待できます。
転職を考える
現在の職場環境や条件が自分の理想や価値観と合わない場合、転職を考えるのも一つの選択肢です。新しい環境でのチャレンジや異なる専門領域へのステップアップは、キャリアを再構築したりやりがいを取り戻したりする機会となります。
やりがいを感じられなくなるのは、自分自身の成長や変化のサインとも捉えられます。そのため、その感情を否定せず、前向きなアプローチで解決策を模索することが、看護師としてのさらなるステップアップに繋がるでしょう。
やりがいを感じられる転職先の探し方
転職を考えた際、ただの仕事の変更ではなく、自分の価値観や情熱に合った「やりがい」を感じられる職場を探したいと思うのは自然なことです。以下に、やりがいのある転職先を見つけるためのステップやポイントを挙げます。
1.自己分析
まず、自分自身が何を価値とし、何に情熱を感じるのかを明確にすることが大切です。どのような職場環境や仕事内容、チームの雰囲気などが自分に合っているのかを考えることから始めましょう。
2.インターネットなどでの情報収集
インターネットや業界誌、看護師向けの転職サイトを活用して、職場の評判や特徴、求人情報などをリサーチします。特に、実際にその場所で働いている人の口コミや評価は参考になります。
3.リアルな情報の収集
知人や同業者との交流を通じて、求人情報や職場の雰囲気などのリアルな情報を得ることができます。実際に働いている人の生の声を聞くことで、自分に合った職場かどうかの判断がしやすくなります。
4.専門の転職支援サービスの活用
看護師専門の転職エージェントやコンサルタントが提供するサービスを利用することで、自分に合った求人を効率的に探すことが可能です。また、面接のアドバイスや履歴書の添削など、転職活動のサポートも受けられます。
5.職場見学
実際に職場を訪れて、雰囲気やスタッフの様子を直接確認することは、転職先を選ぶ上で非常に有効です。現場のリアルな状況を知ることで、自分のイメージとのギャップを早い段階で確認できます。なお、エージェントを通して見学をする際は、「見学のみ」なのか、見学の後に「面接」も行われるのか、事前に確認しておくようにしましょう。
「やりがい」を感じる転職先を探す過程は、自分自身のキャリアや価値観を再確認する良い機会でもあります。冷静に、しかし前向きな気持ちで取り組むことで、自分にとって最適な職場を見つける手助けとなるでしょう。その際には、一時的な満足だけでなく、長期的なキャリアの成長やライフプランに合致するものであるかをよく検討することが重要です。自分の5年後、10年後のビジョンと転職先が合致しているかどうかを検討することも忘れないようにしましょう。
まとめ
- 「やりがい」とは、活動や業務において感じる達成感や充実感のことであり、内面的な報酬や満足感としての側面を持つものである
- 看護師としての「やりがい」は、プロフェッショナルなスキルや知識を活用して患者の生命や日常の生活の質を守り・向上させる中で感じる達成感や感謝である
- 患者の回復や感謝の言葉、緊急時の対応、後輩の成長など、多様な状況での「やりがい」を感じられることがある
- 看護師の仕事においてやりがいを感じられなくなった場合、その原因を明確にし、休息を取る、ワークライフバランスを見直す、サポートを求める、研修に参加する、あるいは転職を考えるなどの方法で対応することが効果的である
- 「やりがい」を感じられる転職先を探すためには、自己分析、情報収集、専門の転職支援サービスの利用、職場見学などを通じて、自分のキャリアや価値観に合った職場を選ぶことが重要である