「暑い」にも種類がある!?熱中症対策のために知っておきたい暑さにまつわる用語とは
投稿日: 2023年06月19日
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脱水や熱中症のリスクが高まるこの時期。夏の天候のカテゴリーを整理しておきましょう。
暑さの呼び方
一日の最高気温や最低気温を基準に、呼び方が定まっています。
- 夏日=最高気温25℃以上
- 真夏日=最高気温30℃以上
- 猛暑日(俗称で「酷暑日」とも呼ばれる)=最高気温35℃以上
- 真夏夜=夜間の最低気温20℃以上
- 熱帯夜=夜間の最低気温25℃以上
- 超熱帯夜(正式な気象用語ではない)=夜間の最低気温30℃以上
暑さを示す言葉もいろいろとあります。たとえば、「非常に暑い」場合は、酷暑・極暑が用いられ、「厳しい暑さ」は、激暑・厳暑・炎暑が使われてきました。気象学では「猛暑」をよく使いますね。ちなみに、二十四節気では、一番暑いころを「大暑」といいます。そもそも言葉には、世界を分節化するというはたらきがありますが、私たちの先祖は、暑さをいろいろな言葉で表現することによって、暑い世界を分節化し、これに敏感に対処する知恵を積み立ててきた歴史をもっています。一般に日本語は夏の暑さだけでなく、どの季節にも多様な言葉があり、繊細な分節化がなされてきていますね。
熱中症対策のために知っておきたい「暑さ指数」
さて、本題に戻りましょう。最近、熱中症に関心が集まり、これには気温もさながら、湿度も強く影響していることがわかってきました。また、熱中症の指標である「暑さ指数」も、一般に知られるようになってきました。専門的には「WBGT=Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)」といい、温度と湿度、地面や建物や身体から出る輻射熱(ふくしゃねつ)、そして、風(気流)を総合的に評価した指数です。たとえば、2011年7月18日と8月15日を比較すると、7月18日は、最高気温34.8℃、最小湿度42%で、暑さ指数は28.6℃でした。これに対して、8月15日は、最高気温33.2℃、最小湿度54%で、暑さ指数は30.2℃でした。そして、両日の熱中症搬送者数は、7月15日が56人、8月15日は100人でした。このように、暑さ指数と熱中症とは、気温と熱中症よりも相関が高いので、今では、暑さ指数への注目と理解が高まっています。とくにこの時季、熱中症の予防情報を見て、暑さ指数への理解を深めてみてください。ちなみに、気温も暑さ指数も℃(度)という単位で表されるので、注意してくださいね。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン