食糧や水だけじゃない!?災害に備えて「救急箱」の中身も見直してみよう
投稿日: 2023年05月23日
地震や豪雨、火災などの災害に、いつ、どこで遭うかわかりません。避難経路・地域の避難場所・救急時の連絡の取り方・非常時に持ち出すものの確認など、災害への備えは大切です。今回は非常用持出袋に入れていおきたい薬や衛生用品についてご紹介します。
防災用の救急箱を用意しよう
救急箱はケガをした時や病気になった時に、病院に行くまでの間をしのぐ役割を果たします。あるいは、程度が軽い場合には、自分で対処をするために必要な物を入れておく医療箱です。ふだん使いの救急箱なら、常備している薬類などを全て入れておけば使い勝手はいいですが、これとは別に「防災用」の救急箱を用意することをおすすめします。何でもかんでも入れてしまっていると、いざという時に、緊急で使うことが難しくなってしまうため、中身を選んで災害時に必要なものだけを入れておくことがポイントです。
防災用の救急箱には何を入れたらよい?
まずは、災害時にどんなケガや病気が想定されるのか考えてみましょう。たとえば、大きな地震では、家具が倒れてきて、打撲や切り傷、骨折をする可能性があります。また、ヤカンがひっくり返って熱湯を浴び、やけどを負う、というようなことも考えられます。さらに、災害によって避難生活を送らざるを得なくなった場合には、風邪をひいたり、お腹の調子が悪くなったり、持病が悪化したりすることもあります。こうした事態を想定し、災害用の救急箱には次のようなものを入れておくといいでしょう。
■けが対策:消毒薬、絆創膏、シップ薬、うがい薬など
■病気対策:風邪薬、胃腸薬、便秘薬など
■その他:ビタミン剤(食事が偏りやすいため)、痒み止め軟膏、目薬、処方箋の控え(持病がある場合)、生理用品など
■あるとよいもの:体温計、メガネ・老眼鏡、綿棒、包帯、ピンセット、三角布、はさみ、ガーゼ、虫よけスプレー、マスクなど
定期的に救急箱の中身をチェックしよう
薬にはそれぞれ使用期限が記載されています。年に一度は使用期限を確認し、いざという時に期限切れで使えないことがないように注意しましょう。また、飲み薬には持病があると使ってはいけない種類もあります。災害時には、救急箱の薬を家族が薬を使うこともあるでしょう。その際、家族がどんな病気をもっていて、ふだんどんな治療薬を飲んでいるかを正確に知らないと、安心して救急箱の薬を使うことができません。「必要になったらインターネットで調べられるでしょ」と思っている人が多いかもしれませんが、災害時には通信環境が悪かったりスマホの電池が切れてしまったりして、すぐに調べられないことも十分にあり得ます。この機会にしっかりと確認をして薬局で薬を購入するなら、薬剤師さんに相談をするとよいでしょう。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら ゆうな)
保健師・看護師。株式会社Mocosuku社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当