海外旅行を検討している人は押さえておきたい「時差ボケ」対策
投稿日: 2023年07月21日
今年の夏は、久々に海外に出かける方が多いのではないでしょうか。渡航先にもよりますが、海外旅行につきものなのが、時差ボケです。時差ボケによる体調不良はある程度は仕方のないものですが、影響を少なくする方法がないわけではありません。そこで今回は、時差ボケ対策についてご紹介します。
時差ボケが起こるのはなぜ?
時差ボケは、4~5時間以上の時差があると起こるといわれていて、不眠、眠気、疲労感、頭痛、目の疲れ、胃腸不良や食欲不振などの症状が現れます。これに関係しているのが、体内時計です。体内時計は専門的には「概日リズム(がいじつりずむ)」と呼ばれ、ほぼ24時間周期で規則的にくり返されています。これに関係しているのが、脳の視床下部にある「視交叉上核(しこうさじょうかく)」です。視交叉上核は、目から強い光が入ってくると、脳の中央にある「松果体(しょうかたい)」に信号を送ります。すると、睡眠ホルモンともいわれる「メラトニン」が分泌され、それから14~16時間後に眠気が起こります。このような体内時計のしくみによって、私たちの睡眠や覚醒、ホルモン分泌、体温などはコントロールされています。ですから、海外旅行などで時差が発生すると、体内時計が乱れて時差ボケの症状が起こるのです。
時差ボケ対策
時差ボケ対策のポイントとなるのは、やはり機内での睡眠です。現地の時間に合わせてある程度、睡眠がとれると、時差ボケの影響を少なくすることができます。その際に活用してほしいのが、快眠グッズです。先ほどお話ししたように、体内時計には光が刺激となることから、アイマスクを使うとよいでしょう。また、音が気になって眠れないことを想定して、耳栓などを持参するのもよいですね。
そして、到着後には光を浴びるようにして、体内時計をリセットするようにしましょう。また、食事も体内時計をリセットする上で重要な役割を果たすことがわかっています。現地に着いてからお腹いっぱいで食べられない、なんてことがないように、出発前や機内での食事量も調節できるとよいですね。
残念ながら、時差ボケを完全に防ぐことはできません。けれども、出発前や機内での過ごし方を見直すことで、その影響を少なくすることはできます。また、日本に帰国前にも時差ボケ対策を行ってくださいね。ついでながら、長時間の飛行機旅なら、「ロングフライト症候群(エコノミークラス症候群)」にも気をつけてください。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら ゆうな)
保健師・看護師。株式会社Mocosuku社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当