秋冬に悩む人が多い唇の乾燥 潤いを保つための対策とは
投稿日: 2023年11月27日
秋、冬の乾燥シーズンがやってきました。手荒れや皮膚の乾燥が気になる季節ですね。唇の乾燥に困っている人は少なくありません。そこで今回は唇が乾燥する原因と潤いを保つための対策をご紹介します。
唇が荒れる原因
ヒトの皮膚は表皮、真皮、皮下組織でできています。そのうち、一番外側にある表皮は4層構造になっています。下から「基底層」「有棘層(ゆうきょくそう)」「顆粒層」「角質層」となっていて、角質層では皮脂膜が肌をみずみずしい状態に保っています。唇の角質層はとても薄く、含まれている水分も少ない上に皮脂膜もないため、ほかの皮膚にくらべて乾燥しやすく、傷つきやすい部位になります。また、唇にはメラニンが少なく紫外線の影響を受けやすいことも乾燥やトラブルに関係しています。メラニン色素というと、シミを作り出して悪いイメージがあるかもしれませんが、実は紫外線から私たちの身体を守る働きをしています。もしメラニン色素がなければ、紫外線が皮膚の奥まで入り込んでしまうため、ちょっと紫外線を浴びただけで水ぶくれや炎症が起きてしまうのです。さて、唇が荒れる原因には、次のようなものが挙げられます。
では、みずみずしい唇を保つためにはどうすればよいのでしょうか?
唇をプルプルに保つための対策
皮膚の細胞は一定のサイクルで生まれ変わり、古い角質層がとれて新しい皮膚へ変わる新陳代謝「ターンオーバー」を繰り返しています。唇はこのターンオーバーの日数が短く、3~4日で細胞が生まれ変わります。そのため、まめにケアをすると潤いのある状態を保つことも可能です。乾燥を放置し症状が悪化してしまうと、「ひび割れる」「皮がむける」「血がにじむ」などの症状につながってしまうこともあるため、注意が必要です。
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その1:唇を舐める、触る、皮をむくということはやめる
その2:紫外線をカットしてくれるUVカット入りの香料・着色料の入っていないリップを塗る
その3:歯磨き粉は低刺激のものや発泡剤の入っていない物を選ぶ
その4: 食後は紙ナプキンかアルコールの含まれていないウェットテッシュで唇を軽く押えてふく
その5:栄養バランスのいい食事をとる
その6:口紅、リップ、グロスなどのメイクを落とす時もゴシゴシこすらない
その7:タバコはやめる
その8:病気の可能性があれば皮膚科で相談する
唇ケアのポイント
唇は傷つきやすい部位なので、リップならばポンポンと押すようにつけましょう。口紅などを落とす時には、メイク落としではなく、薬局販売のオリーブオイルをしみこませたコットンで抑えて、メイクを浮かせて落とす方法もあります。皮剥けの場合には白色ワセリンをそっと置くようにつけます。ひび割れて血が出るようでしたら、皮膚科でステロイドなどを処方してもらうことも有効ですので、状況によって皮膚科を受診してみましょう。また、時には自宅でリップパックなどを行ってみましょう。はちみつとワセリンを同量混ぜてリップにぬり、ラップをかぶせて5~10分まち、はがすだけで出来る簡単ケアです。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン