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最近よく耳にする「はしか」のキホンついて解説

投稿日: 2024年03月18日

最近、はしかの感染者に関するニュースをよく目にします。はしかについて確認しておきましょう。
 

はしかとは

「はしか」は、麻疹ウィルスによる急性発熱性発疹性のウィルス感染症です。感染力が大変強く、死亡することもある重症の感染症です。患者は2歳以下に多く、ワクチンをしていない乳幼児は免疫力がないため、日本では年間に数十人が命を落としています。また、成人麻疹の増加が問題となっていて、20代の発症が多く確認されています。麻疹ウィルスへの感染が原因です。
はしかのウィルスは、感染力が非常に強く、人から人へ感染します。おもなウィルスの感染経路に、(1)感染者がウィルスを出し、空気中を漂って、それを吸い込むことで起こる「空気感染」、(2)感染者の咳やくしゃみを吸い込むことで起こる「飛沫感染」、(3)ウィルスが付いたものを触ることで起こる「接触感染」の3種がありますが、麻疹の感染経路はどれにも該当します。感染期間は、発疹が出る4日前から発疹が出た後4~5日位までで、最も感染力が強いのは、発疹が出る前の期間です。
 

はしかの症状

次に症状の経過を見ておきましょう。
 

前駆期

10日~12日間の潜伏期間があり、その後発症します。麻疹の症状の特徴は、発熱が2回繰り返されるということです。そのため、最初の発熱で麻疹だと判断することは難しく、ほとんどがただの風邪と診断されてしまいます。発熱や咳など、風邪の症状と同じように、倦怠感、咳、鼻水、くしゃみなどの上気道症状が現れます。また、38℃前後の発熱が数日続き、結膜炎のように目が充血し、目めやになどが出ます。乳幼児では、消化器症状である下痢や腹痛の症状が出ることもあります。前駆期には、麻疹の特徴的な「コプリック斑」がでます。コプリック斑とは、口の中で頬の粘膜の裏側に隆起した1㎜程度の小さな斑点をいいます。これは、全身に発疹が出る1~2日前に出る斑点で、麻疹と診断する手掛かりとなるものです。
 

発疹期

前駆期を過ぎるといったん熱は下がりますが、半日程度経った後に再び39℃以上の高熱が出て、同時に身体の表面に発疹が出てきます。発疹は、耳の後ろから顔全部、体幹部、首や腕まで出始めた後、2日後には四肢末端まで広がってきます。この期間は、はじめ鮮紅色で扁平だった発疹が、皮膚から盛り上がって、やがてほかの発疹とつながり、不整形な斑状になってきます。その後、暗赤色となり、だんだん色が褪せていきます。また、高熱が続き、風邪のような上気道症状や結膜炎のような目の症状も一段とひどくなります。
   

回復期

発疹が出て3~4日続いた高熱が下がりはじめ、回復期へと向かいます。風邪症状である上気道炎や目の結膜炎症状も軽くなってきて、合併症などがなければ、発症してから7~10日で回復するでしょう。けれども、体力が落ち免疫力も低下しているため、ほかの感染症にかかると重症になる恐れがあります。そのため、1か月ほどは通常の生活には戻れないことになります。麻疹は高熱が1週間も続いてさまざまな症状がでるため、合併症がなくても入院することが多いのです。
 

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麻疹(はしか)の治療・予防

麻疹には特効薬がありません。そのため、治療で行われるのは対症療法だけです。また、肺炎や中耳炎などの合併症を起こすこともあり、入院が必要になります。
根本的な治療法のない麻疹は、ワクチンを接種して、発症そのものを予防することが重要です。接種時期は、1歳になったらできるだけ早く接種する必要があります。麻疹ワクチンは、1978年から子どもを対象に定期接種が1回だけ行われてきました。けれども、1回だけの接種では免疫がつかない人がいることがわかり、2006年からは「MR(麻疹・風疹)ワクチン」が使用され、合計2回接種を行う制度ができました。現在では、定期接種として、1歳児と小学校入学前の1年間の2回、無料で受けられることになっています。また、2008年から10代の免疫強化を目的として、中学1年と高校3年の2回、定期接種が行われています。ここで注意してほしいのは、1990年4月2日以前に生まれの人です。この期間に生まれた人は、1回接種に該当するため、現在、麻疹にかかる可能性が大変高いといえます。現在26歳~39歳までの人はリスクが高いので、ぜひ2度目の接種を受けるようにしましょう。一方、40歳以上の世代は、定期接種などを受ける機会がなかったものの、多くの人が自然に感染していて免疫をもっており、罹患するリスクは少ないと考えられています。
 
麻疹ワクチンが普及したことで、麻疹ウィルスにさらされる機会が減ってきていますが、予防接種を受けることで免疫機能が強化される機会が乏しくなります。すると、時間が経つにつれて、麻疹ウィルスに対する免疫力が弱くなってきています。大人が麻疹にかかると重症となる場合が多いので、自分に免疫があるのかどうか心配な人は、血液検査を受けて確認してみましょう。また、免疫がないことが分かった場合には予防接種を受けましょう。
 
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら ゆうな)
保健師・看護師。株式会社Mocosuku社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当

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