ダイエットをしたい人は睡眠習慣も見直そう！

投稿日: 2024年04月24日

「ダイエットしたい」そう思った時にまずするのは、食生活の見直しや運動ではないでしょうか。食事も運動もとても大切ですが、ハードルが高くて重い腰があがらない・・・という人も多いはず。そんなときはまず睡眠習慣を見直してみることも方法の一つです。なぜ睡眠がダイエットに関係するのか、解説します。
 

睡眠不足は食欲アップにつながる

日本人の睡眠時間は世界と比べて短いことで有名ですが、とりわけ、女性は家事や育児の負担が大きいため、男性よりもさらに睡眠時間が短く、平日・週末を問わず慢性的な寝不足状態にあるようです。慢性的な睡眠不足は日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られています。特にダイエットに関わることでは、健康な人でも一日10時間たっぷりと眠った日と比較すると、寝不足（4時間睡眠）を二日間続けただけで、食欲を抑えるホルモンのレプチン分泌が減少し、逆に食欲を高めるホルモンのグレリン分泌が亢進して、食欲が増大することが分かっています。成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されていますが、筋肉を作るだけでなく、脂肪細胞に蓄えた中性脂肪を分解し、皮膚や骨を強く丈夫にする作用もあります。つまり、成長ホルモンは「脂肪の分解」と、「身体を作る」という肥満の解消に欠かせない作用があるのです。
 

睡眠不足による体内時計の乱れが肥満の一因に！？

また、私たちの身体には「体内時計」と呼ばれる1日のリズムを刻むメカニズムがあります。1日は24時間ですが、人間の体内時計は少し長い24.5時間ほどです。放っておくと少しずつズレてしまい、体内時計が乱れることで肥満になったり、がんなどの病気にかかったりしやすいことがわかっています。このズレをリセットしてくれるのが「光と食事による刺激」です。文部科学省が、「早寝、早起き、朝ごはん」という運動を平成18年から積極的に進めています。「早寝、早起き」は「光」の刺激に関係し、「朝ごはん」は「食事」による刺激です。もともと夜は光のない時間帯でしたが、今では24時間営業のお店などもあり、街は夜遅くまで明るく照らされ、スマホやテレビを遅くまで見ている人もいて、「光」の刺激に狂いが生じてきています。
 

睡眠習慣の乱れは食生活の乱れに

食生活も乱れている人が多くなっています。遅くまで残業して夕飯が遅くなり、寝る時間も遅くなり、朝起きても食欲がなくて、朝食を抜いて会社に行っている人も少なくありません。しかし、この習慣がかえって太りやすさにつながります。朝食は「断食（絶食）を破って食べる＝ブレックファスト」という意味で夜早めに食べ、11時間程度の断食時間を経て朝食を摂ることで、1日のリセットをするという効果があります。そして、1日で1番長い断食の時間帯（睡眠）があるので、身体は「今、食事をとっているから朝なんだ」と理解し、体内時計を整えようとします。そんなリセット効果のある朝食を摂らずに昼食でドンと食べていると、体内時計が崩れ、夜型になると太りやすくなってしまいます。ですから、夕飯は早めに食べ終え、ある程度の断食時間を設け、朝食を摂るという生活リズムを作ることが、健康的なダイエットの近道です。
 
まずは夜食をやめ、朝食を食べることから始めてみませんか？
 
＜執筆者プロフィール＞
吉村　佑奈（よしむら　ゆうな）
保健師・看護師。株式会社Mocosuku社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健（働く人の健康管理）を担当